春場所の第2新弟子検査(167センチ、67キロ以上)が14日、東京・両国国技館で行われ、7人が受検。全国中学校スケート大会に出場経験を持つ18歳の茅野峰大(ちの・たかひろ)=大嶽=ら5人がパスした。他の2人は第1検査の体格基準(173センチ、75キロ以上)をクリアしたため、運動テストを受けなかった。長野県諏訪市生まれで小学1年からスケートを始めた茅野は、バンクーバー五輪女子ショートトラックに出場し、今月12日に終わったワールドカップのオランダ・ドルドレヒト大会で日本人選手として初めて総合優勝した酒井裕唯を小中学の先輩に持つ。上諏訪中1年時には1500メートル、3000メートルで全国大会に出場した。
ところが、「いろいろあって…」と中学2年から学校に通わなくなり、5年間は自宅だけで生活するように。「スケートをちゃんとやめてなかったから、何かやりたかった」と、昔から好きだった大相撲の世界に、自ら電話をして飛び込んだ。175センチで68キロと細身。スケートをしていた当時から比べれば、太ももは「細くなりました」という。
ただ、先々代の親方になる元横綱大鵬の納谷幸喜さんから「おれも細くて小さかったが横綱になった。頑張れ」と励まされた。リンクから土俵に移った茅野の戦いが始まる。(岸本隆)
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