雨の中、ドリブルで相手を置き去りにする田鍋(右)=実相寺サッカー競技場
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名古屋グランパスの新人MF田鍋陵太(18)が14日、プロ初実戦での初ゴールを宣言した。15日に今季初の対外試合となる大分高校戦が行われるが、田鍋は「1ゴール1アシスト」と高い“ノルマ”を設定。レギュラー奪取へ、最初の試合から全力アピールする決意だ。
強気の大物新人は初めての試合へ高ぶる気持ちを隠そうとはしなかった。田鍋は「1得点1アシスト、これを目指します」と言い切った。最初のゲームとあって出場時間は限られるだろうが、自らに課した高いハードルは自信と覚悟の表れ。入団会見で「シーズン10得点」をぶち上げた“ビッグマウス”は健在だ。
グランパスの一員として迎えたキャンプで、プロとして求められるレベルの高さを知った。13日の練習後、ジュロヴスキーヘッドコーチに呼び止められた。「君のプレーは自分勝手だ」。問題にされたのはミニゲームでのワンシーン。フリーのDF田中隼にパスを出さずにシュートを打ち、外していた。
田鍋は「質の高いプレーをしないとダメ」と反省する。がむしゃらにゴールを狙うだけでは評価されない。状況に応じて味方を生かし、チームとしてゴールを奪う。この課題をクリアするべく、設定した目標が「1ゴール1アシスト」だ。
モチベーションが倍増する要素もある。U−19日本代表の山橋貴史コーチがグランパスのキャンプを視察中で、ターゲットの一人が田鍋だ。「田鍋はスピードがあってフィジカルの強さがある」と山橋コーチ。2013年にトルコで開催されるU−20ワールドカップ(W杯)に出場するため、今から存在をアピールしておきたいところだ。
田鍋は「名古屋のサッカーが少しずつわかってきた。積極的にゴールにつながるプレーをしていきたい」。ドラフト1位クラスの超逸材が、いよいよベールを脱ぐ。 (木村尚公)
【田鍋陵太(たなべ・りょうた)】 1993(平成5)年4月10日、東京都板橋区出身の18歳。177センチ、72キロ。保育園年長の時からサッカーを始め、小学4年で三菱養和SC巣鴨ジュニア入団。以後、同ジュニアユース、同ユースに所属。U−16日本代表、U−17、18日本代表候補。右サイドを中心にFW、MF、DFをこなし、抜群のスピードで攻撃の起点となる。50メートルのタイムはグランパスの同僚永井と同じ5秒8。家族は両親と兄。
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