五十嵐、今夏世界初挑戦…ＷＢＣ世界フライ級

　【ホノルル（米ハワイ州）１３日】プロボクシングＷＢＣ世界フライ級１位・五十嵐俊幸（２８）＝帝拳＝が、今夏にも世界初挑戦する見通しであることが１３日、分かった。当地でキャンプ中の五十嵐は「次の試合が重要になってくる」と闘志をかき立てた。

　南国の太陽につられるようにヒートアップした。同門のＷＢＣ世界スーパーフェザー級王者・粟生隆寛（２７）、同世界バンタム級王者・山中慎介（２９）と競いながら快足を飛ばした。「走り込みの成果は後で生きてくる」と世界戦仕様のスタミナ増強を図った。

　標的はＷＢＣ世界フライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム（３４）＝タイ＝だ。キレ味鋭い左カウンターが武器の五十嵐は、昨年１１月にウィルベルト・ウィカブ（メキシコ）を判定で下し、王者への挑戦権を獲得した。延べ２３回の防衛を誇るベテラン王者との一戦へ「ポンサクレックは老練でうまい。年齢は自分の方が若いから相手を疲れさせ、ペースを握りたい」とイメージを描く。

　３月に防衛戦を予定するポンサクレックが勝った場合、本格交渉に入る。帝拳ジムの本田明彦会長（６４）は「順調にいけば試合は６月頃。日本開催に持ち込みたい」と語った。

　「今は世界戦のことを考え過ぎず、じっくりと体をつくる」。来たる大一番に向け、刀を研いでいく。

　◆五十嵐　俊幸（いがらし・としゆき）１９８４年１月１７日、秋田・由利本荘市生まれ。２８歳。秋田・西目高３年時に２冠を達成。東農大時代の０４年にはアテネ五輪に出場。０６年８月、プロデビュー。０８年８月、日本フライ級暫定王座を獲得。昨年２月、日本同級王座を獲得し、初防衛後の同１１月に王座返上。身長１６６センチの左ボクサーファイター。家族は夫人と１男。

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