大地の揺れは今も治まらない。東京直下型地震が警戒される中、地震は富士山近くなど、関東以西でも起こり始めた。本当に危ない場所はどこなのか。危機の真っ只中にあるのは、首都だけではない。
M8クラスの可能性大
首都圏、そして東北地方を中心に、地震が治まっていく気配が見えない。
気象庁が観測している1月26日~2月1日までの1週間の地震発生状況を見ても、関東・東北は特に地震が多発している。
「3・11」の震源域付近が相変わらず揺れ続けているのはもちろんだが、茨城県沖~千葉県銚子沖、さらにその内陸部と、首都・東京に近い場所で地震が頻発しているのは、不気味としか言いようがない。
「東京直下でM7級の大地震がもうすぐ起きる」
東京大学地震研究所が公表したデータが、首都圏を震撼させている。「4年以内に70%」という数字は、まもなくほぼ確実に大地震が起きることを意味する。
また、これまで本誌が繰り返し報じてきたように、東京直下型同様、房総沖付近を震源とするM8クラスの巨大地震にも、依然として警戒が必要だ。一向に減らないその周囲の地震が、警報の代わりだと見る必要があるだろう。
だが、今回の取材で、実は「危険な場所」は何も東京近郊だけに限らないことが判明した。首都直下型地震は、4年どころか、1年以内、もしかすると明日にも起こるかもしれない。そして、そうした〝1年以内に地震が起きてもおかしくない場所〟は、東京以外にもあるというのだ。
「3・11」の東日本大震災について、その発生の可能性を「2005年±5年」「M8・5クラス」などと予測していたことで知られる、琉球大学名誉教授の木村政昭氏はこう語る。
「今後、危険なのは三陸の沖合で起こる〝アウターライズ型〟の地震です。これはM8クラスになる可能性があり、3・11クラスの津波が再び押し寄せる可能性も否定できません」
アウターライズ地震とは、3・11の巨大地震と、日本海溝を挟んだちょうど反対側(東側)で起きる地震のこと。実は、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の調査でも、3・11の後に三陸沖の海底における岩盤(太平洋プレート)の力関係が変化したことが観測されている。その結果、M8クラスの地震が起きる可能性が高まっているというのだ。
もともと三陸沖では、いったん津波を伴う巨大地震が起きると、しばらく後に、再び同じような地震・津波に見舞われる、というサイクルが繰り返されてきた。この〝2度目〟の津波を起こすのがアウターライズ地震というわけだが、その警戒感は今、最大限に高まりつつある。
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