「西成区の『あいりん地区』周辺をエコひいきしてでも特区にする構想」をうちだした大阪市の橋下市長。
役所も前向きに動き出してはいるものの、初めての会合で上がったのは西成の現実を訴える厳しい現実でした。
「『えこひいき政策』はどうなんだ、公平性はという意見もありますが、この地域がかわるということをやっていきたい」(大阪市 橋下徹市長)
「西成特区構想」に意欲を見せる橋下市長。
西成を活性化させるため、職員たちも様々なアイデアを出してはいます。
例えば、子育て世帯が大阪府外から転入した際に税金を優遇することや、小中高一貫のスーパー校の設置など27項目にのぼります。
しかし15日のプロジェクトチームの会議では、各部局から実現へのハードルの高さが指摘されました。
「不法投棄の問題が一番大きい。市全体の6割が西成区で、そのうち8割が『あいりん地区』」(環境局長) 「結核感染率はジンバブエと同じレベル」(健康福祉局長)
不法投棄や結核感染率の高さなどに加え、治安の悪さが人を呼び込むうえで大きな障害になるというわけです。
さらにちょうど同じ頃、市役所の別の部屋では「あいりん地区」の労働者と市との白熱した協議が続いていました。
「言うこととやっていることが全然違う!」(労働者の女性)
現在、雇用創出のため国から大阪市に支給される年間およそ7,100万円の予算を、市は「あいりん地区」の就労支援などにあてていますが、これが今年度末で打ち切られるのに伴い、労働者たちが来年度以降は市に肩代わりしてほしいと要望しました。
「(橋下市長は)『えこひいきする』とか言ってるけど、一律に就労支援を削減するのは彼が言っていることと矛盾している」(労働者側代表)
大阪市が抱える最大の問題のひとつ、西成区の改革。
実現までの課題は山積しています。 (02/15 19:05)
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