運転が止まっている関西電力・大飯原子力発電所の2基について、運転再開の判断の前提となる「ストレステスト」を審査してきた国の原子力安全・保安院は、全国の原発で初めて「妥当だ」とする最終評価をまとめ、原子力安全委員会に報告しました。
報告を受けた原子力安全委員会の班目春樹委員長は、遅くとも来月末までには検討を終える方針を示しました。
福井県にある関西電力・大飯原発の3号機と4号機の「ストレステスト」について、原子力安全・保安院は、去年11月以降の審査の結果、「テストは適切に行われ、想定される地震や津波に対する安全性の余裕は十分である」として、「テスト結果は妥当だ」とする最終評価をまとめ、13日午後4時、原子力安全委員会に報告しました。
保安院が、停止中の原発のストレステストの最終評価を安全委員会に報告するのは全国で初めてです。
報告の中で保安院の黒木慎一審議官は、原発の現地調査を実施したり、IAEA=国際原子力機関から調査団を受け入れたりして十分な確認を行ったと説明しました。
安全委員会は今後、外部の専門家を含む10人程度の会議を立ち上げ、保安院の審査の方法を改めて検証することにしています。
原子力安全委員会の班目春樹委員長は「保安院の審査について幅広い分野の専門家を集めて検討する。遅くとも安全委員会が原子力規制庁に再編される前の3月末までには、ある程度の責任を果たしたい」と述べ、遅くとも来月末までには検討を終える方針を示しました。
話しました。
最終的な原発の運転再開の是非は、安全委員会の検証のあと、政府が判断することになります。
一方で、再開には地元自治体の了解が必要ですが、福井県などは、東京電力福島第一原発の事故を踏まえた新たな安全基準などを国に求めていて、再開の了解を得られる見通しはたっていません。
原子力安全委員会への報告のあと記者会見をした原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は、大飯原発に緊急時に対応に当たる免震の施設がないことや、2台ずつある緊急用の発電設備が同じ場所にあり同時に故障する恐れがあることなど、残された課題について、「電力会社に対して計画を前倒しで行ったり、代わりとなる対策に取り組んだりするなどして安全性を高めるよう引き続き指導する」と説明しました。
また、今後の対応について、「原発が地震や津波にどの程度まで耐えられるかを国民に丁寧に説明し、国民の信頼を得ていきたい」と述べました。
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