ニンテンドー3DSは116本のタイトルがリリースされた。レビューで85本(73%)が取り上げられ、33タイトル(28%)が70点以上を得ている。もちろん成熟期を迎えたハードウエアと新たに登場したハードウエアでは、話題性に大きな差がある。しかし成熟期を迎え、3DSとも競合するニンテンドーDS向けタイトルは、313本とPSPの約2.4倍もあり、新作タイトルの選択肢ははるかに広かった。
発売本数 | レビューされた本数 | 70点以上の評価 | |
---|---|---|---|
PSP | 133 | 38(29%) | 22(17%) |
ニンテンドーDS | 313 | 37(12%) | 9(3%) |
ニンテンドー3DS | 116 | 85(73%) | 33(28%) |
()内は販売本数に対する比較
出典:Matacritc.comのデータを基に筆者が集計
こうした経緯もあって、欧米ではPSヴィータに対するパブリッシャーの期待が極めて低い。パッケージ販売されるタイトルは30本が予定されているが、そのうちSCEが発売するタイトルが8本もあり、3分の1弱を占めている。
米エレクトロニックアーツ(EA)の「EA Sports FIFA Soccer」は、PSヴィータをマルチプラットフォーム戦略に位置づけてリリースするが、それでも9種類あるプラットフォームの一つにすぎない。EAがほかのタイトルを発売するのかも不明だ。パブリッシャー最大手の米アクティビジョンブリザードに至っては、現時点でPSヴィータへの参入を見送っている。
日本企業にも変化が表れた。ある関係者は「日本の大手パブリッシャーが、PSヴィータ向けに進めていたゲーム開発をすべてキャンセルし、3DSの開発に切り替えた」という。
ゲーム機の発売時期はメーカーが宣伝に力を入れるため、ソフトを早期に投入できればヒットに結びつけられる可能性が高い。そのため大手のパブリッシャーほどゲーム機の発売時期に力を入れる。ところが日本での年末商戦でPSヴィータが50万台しか売れなかったのに対し、任天堂が3DSを逆ざやを抱えながらも400万台売った。このためパブリッシャーには3DSが魅力的なプラットフォームとして映り始めている。
■グループ内で製品競合、不明瞭な販売戦略
1月9日、ソニーは米ラスベガスの「コンシューマーエレクトロニクスショー(CES)」で、「SonyEntertainmentNetwork」を発表した。これは“豊富な製品群”がネットワークとコンテンツを通じて、互いに連携し合う世界を構築しようというもの。ゲーム機もその一つに位置づけられるが、その戦略には不明瞭な部分が大きい。
そもそもソニーが抱えている問題点は、グループ内の製品同士で機能が重なって競合するという奇妙な状態が継続され、解消される気配がないところにある。豊富な製品群というよりも、グループ内で競合するラインアップという印象だ。
例えばPS3にハードディスクレコーダー(HDR)の機能を追加できる専用デジタルチューナー「トルネ」。10年に発売された同製品はゲーム機のノウハウをインターフェースに生かし、高い操作性でユーザーから評価を得た。ところがトルネの事実上の競合製品として、同じ価格帯にソニー製のHDRが存在する。
2つのHDRは操作インターフェースが異なっており、それらを統合しようとする動きは見えない。しかも潜在力を持つはずのハードウエアにもかかわらずトルネは海外に展開されず、日本のユーザーしか対象にしない。トルネをPS3に統合しても、ソニー製品との競合は変わらないため、グループ内で製品の位置づけがはっきりしないままになりそうだ。
ソニー・コンピュータエンタテインメント、ニンテンドーDS、プレイステーション、ソニー、Xbox360、任天堂
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