先頃、少女時代の日本デビューアルバム『GIRLS' GENERATION』(NAYUTAWAVE RECORDS)がミリオンセラーを達成したことが明らかになった。韓国グループとしては初、同国歌手としてはBoA以来という日本でのK-POPブームを象徴する出来事ともいえる。ところで少女時代といえば、昨年11月19日にマキシシングル「The Boys」で全米進出を果たしたが、日本での熱狂ぶりが華々しく報じられる一方で、アメリカでの反応を報じるニュースがほとんどと言っていいほど伝わってこない。
「日本のオリコンに当たるビルボードチャートにランクインしたという話は聞きませんね。アメリカのiTunesチャートでシングルが74位、アルバムが122位を記録したことがわずかに報じられたぐらいです」(K-POP雑誌編集者)
74位と122位......なんとも微妙な順位ではある。ビルボードではなく、iTunesチャートというのも韓国の熱心なファンがアメリカのiTunesでダウンロードすれば、それがチャートに反映されるので、本当の意味でアメリカ人に支持されているかどうかの指標にはならないのではないか。
「その通りだと思います。特に韓国はインターネット大国ですから、こうしたことは当然行われているでしょうからね。やはり、CD売り上げが反映されるビルボードチャートが最も信頼できる指標ではないでしょうか。しかも、iTunesチャートであることを考慮しても、少女時代の順位は決して高いとは言えません。全米進出が成功したとは言えない宇多田ヒカルのアルバム『This Is The One』ですら、iTunesチャートでは18位を記録しましたからね。」(前出・編集者)
ちなみに宇多田の同アルバムはビルボードチャートでは最高位69位、K-POP勢ではWonder Girls(ワンダーガールズ)のシングル「Nobody」が09年に記録した76位が今のところ最高位だ。08年に日本からアメリカへ活動拠点を移したBoAにしても、アメリカでの成果は芳しいものではない。
「アジア人アーティストがアメリカで成功するのは並大抵のことではありません。少女時代のアメリカ公演が大成功を収めたなどと報じられたこともありますが、あれは観客のほとんどがアメリカ在住のコリアンですからね。ヨーロッパでも大人気と喧伝されていますが、やはり一部のマニアによる人気なだけで、総合音楽チャートの上位に少女時代の楽曲がランクインするなんてことはあり得ないのが実情。…