「iPhoneを愛用するようになってから、一番変わったのは何?」と尋ねられたら、真っ先に「Webサイトを閲覧する場所」と答える。iPhoneはFlashを表示できないこと、iPhone(モバイル)向けのレイアウトに切り替わるWebサイト(Yahoo! JAPANなど)があることを除けば、パソコンと同じようにWebサイトを見られる。それまでパソコンが使える場所(自宅や職場、カフェなど)で読むものだったWebサイトが、iPhoneによって移動中でも簡単に見られるようになった。この変化は想像しているよりも大きい。

 パソコンとiPhone、2つに増えたWebサイトを閲覧する端末。しばらくは平和に共存していたのだが、徐々に併用する問題点が見え始めた。その問題とは、Webブラウザーの“環境(設定)”だ。Webサイトを呼び出すには欠かせない、お気に入り(ブックマーク)はもちろん、Webサイトの閲覧履歴など、それぞれのWebブラウザーには大切なデータが保管されている。しかし、複数台のパソコン、複数のWebブラウザーを併用していると、このデータに個体差が出てきてしまう。

 昔ならデータがバラバラでも同期するのは面倒だからと、見て見ぬふりをしてきたが、今やそんな時代ではない。「Google Chrome」や「Firefox」などのWebブラウザーではお気に入りや履歴などの設定を、ほかのパソコンにインストールされGoogle ChromeやFirefoxと同期する機能がある(Firefox 3.6はアドオンの「Firefox Sync」で対応。Firefox 4以降は標準)。

 筆者がメーンで使っているWebブラウザーはGoogle ChromeとFirefoxなので、この同期機能がとても役立っている。自宅で途中まで読んだWebサイトを外出先で別のパソコンで検索して探すことなく閲覧できる。

 パソコン間では、既に始まっているクラウド型の環境同期機能。どうにかして、iPhoneとパソコン間でも実現できないものか。今回は、このテーマに挑んでみたい。

パソコンで読んでいたWebサイトをiPhoneへ送って読む。逆にiPhoneで読んでいたWebサイトをパソコンへ送って読む……。パソコンとiPhoneの双方向で、閲覧情報をやり取りできれば、Webサイトの閲覧環境は便利になるはずだ (画像クリックで拡大)

Google ChromeはGoogleアカウントを使って、複数台のパソコン間でお気に入りや履歴、パスワードなどを同期する「Chrome Sync」機能を備える (画像クリックで拡大)

Internet Explorerに次いでシェアの高い、Firefoxも「Firefox Sync」というアドオン(拡張機能)を用意。こちらは、「他のパソコンで開いていたタブ」という項目があり、ほかの端末で最後に見ていたWebサイトへ即アクセスできる (画像クリックで拡大)