Google Chrome

Google Chrome
スクリーンショット
Windows上で動作するGoogle Chrome
開発元 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
Google Inc.
最新版 12.0.742.122/12.0.742.124(Linux)
- 2011年7月12日(44日前) (2011-07-12
[+/-]
最新評価版

13.0.782.99 (Beta)
  -  2011年7月20日(36日前) (2011-07-20

14.0.825.0 (Dev)
  -  2011年7月18日(38日前) (2011-07-18

14.0.826.0 (canary)
  -  2011年7月19日(37日前) (2011-07-19[+/-]
対応OS Microsoft WindowsXP SP2以降)
Mac OS X(Intelベースのv10.5以降)
Linux(ubuntu/Debian/OpenSUSE/Fedora)
使用エンジン WebKit(HTMLレンダリング)
V8(JavaScriptエンジン)
対応言語 50言語
種別 ウェブブラウザ
ライセンス プロプライエタリ
BSDライセンス ほか
公式サイト www.google.co.jp/chrome

Google Chrome(グーグル・クローム)は、HTMLレンダリングエンジンWebKitを採用し、Googleが開発しているウェブブラウザである。

北米では2008年9月2日日本では9月3日Microsoft Windows XP/Vista向けのベータ版が公開され、12月12日に正式版が公開された[1]。最初のリリースの翌日、ブラウザ市場で実質1%以上のシェアを獲得し[2]アメリカ合衆国では1週間のうちに200万人がダウンロードしたとされる[3]2010年5月25日(日本時間5月26日)、Mac OS XLinux向けの正式版が公開された[4]

Google ChromeはChromiumと呼ばれるオープンソースプロジェクトで開発されたウェブブラウザをもとに開発されており、Google ChromeはChromiumにGoogleの商標(ロゴ)や自動更新機能などを追加したものである[5]。Google自身が開発したソースコードにはBSDライセンスが適用されており、それ以外のコードについては、それぞれ異なるライセンスが適用されている。

特徴

Linux版Chromiumのαバージョン。
Mac版Chromiumのtrunk buildバージョン。

ユーザインタフェースタブブラウザの形式を取っているが、タブそれぞれが独立したサンドボックス方式を採用しており、タブページごと(実際はドメインごとに内部でグルーピングされる)に1つのプロセスが割り振られるようになっている。このため、ウィンドウプロセスとの通信は増えるが、個別タブのクラッシュや、メモリリークの影響が他のタブへ広がることはない。

JavaScriptエンジンにはGoogle V8 JavaScript Engine(V8)を使用し、処理の高速化を図っている。

セキュリティ対策機能としてはGoogleと関係ないページの閲覧履歴やCookieデータを残さない「シークレットウィンドウ」機能、Googleの提供する危険サイトフィッシング詐欺マルウェアなど)のブラックリストをダウンロードして有害サイトアクセス時に警告を出す機能(SafeBrowsing [6])などが備えられている。

その他に、新規に開いたタブに最も閲覧数の多い8つのページをサムネイルで一覧表示させる機能や、何らかの原因で強制終了した際にシークレットウィンドウ以外の開いていたページを再度表示させる「復元」機能、フォームへの自動入力機能なども搭載されている。

また現在では、Mac OS XやLinuxなどのマルチプラットフォームへの対応やテーマ機能、ユーザスクリプト機能(Mozilla FirefoxGreasemonkeyスクリプトに当たる)、拡張機能などの追加実装が行われている。

開発の面ではMozilla Firefoxの開発に貢献した者が多く携わっている点も特徴である。Firefox開発に携わったベン・ゴダーやダリン・フィッシャーなどがGoogle Chrome開発チームの主要メンバーとして活動している[7]

強制アップグレードの仕組みがあり、古いバージョンを使っていると、特にメッセージも出さずに新しいバージョンへと更新される。たとえ、メジャーアップデートでも自動更新される。そのため、最新のバージョンがほぼ100%のシェアをもつ[8]。アップデートは古いバージョンを実行時にバックグラウンドで行われ、Chrome 起動時に新しいバージョンへと差し替えられる。

Adobe Flash Playerプラグインと統合されており、Flash PlayerのアップデートもGoogle Chromeの自動アップデート機能を通じて自動的に行える[9]。(ただし、FLASHを読み込んでいる際に言語バーが使用できなくなり、日本語入力ができなくなるという不具合は現在のところ未解決である。)

2010年現在、1ヶ月(4週)周期でベータ版のリリース、3ヶ月(13週)周期で安定版のリリースを目標に開発が進められている[10]。Ver. 6以降は6週間ごとに安定版をリリース予定[11]

Google Chrome Frame

Google ChromeのブラウザエンジンをInternet Explorerに埋め込んで利用可能するプラグイン。Windows XP以降、IE6以降[12]で動作する。高速なJavaScript処理機能や各種の新しい規格をIEで手軽に利用させることを目的としている。

ただしIEのブラウザ機能を完全に置き換えるものではなく、Webページ側にChrome Frameの使用を指示する情報がない限り自動的に動作することはない。

特徴

Chromeには3種類のチャンネルとカナリアビルドがある[13]。下にいくほどより高頻度で更新している。基本的には異なるチャンネルを同時にインストールできない。

  1. 安定チャンネル - 一般ユーザー向け
  2. ベータチャンネル - 毎月更新
  3. 開発チャンネル - 毎週更新
  4. カナリアビルド - 上記のチャンネルとは別にインストールすることができる。開発者向け。
  5. (Chromium - 開発者向け。Chromeの基盤であるので厳密にはChromeではないが、更新頻度としてはこの場所に位置する。)

チャンネル

正式版

ベータ版

  • 2008年9月2日 - ベータ版を公開。
  • 2009年3月18日 - バージョン2.0系のベータ版が公開(v2.0.169.1)。フォームの自動入力機能、ホイールクリックによるスクロール機能、文字だけでなくページ全体を拡大縮小するフルズーム機能、Windows 7のAero Snapによく似たウインドウ整列機能、JavaScriptの実行速度のさらなる向上。
  • 2009年6月4日 - Mac版、Linux版のプレビュー版がリリース。[2]
  • 2009年7月25日 - バージョン3.0系のベータ版が公開 [18](v3.0.193.2)。
  • 2009年11月3日 - バージョン4.0系のベータ版が公開 [19](v4.0.223.16)。
  • 2010年3月1日 - バージョン4.1系のベータ版が公開(v4.1.249.1021)。[20]
  • 2010年3月24日 - バージョン5.0系のベータ版が公開(v5.0.342.7)。[21]
  • 2010年8月11日 - バージョン6.0系のベータ版が公開(v6.0.472.33)。
  • 2010年9月30日 - バージョン7.0系のベータ版が公開(v7.0.517.24)。
  • 2010年11月4日 - バージョン8.0系のベータ版が公開(v8.0.552.28)。
  • 2010年12月16日 - バージョン9.0系のベータ版が公開(v9.0.597.19)。
  • 2011年2月17日 - バージョン10.0系のベータ版が公開(v10.0.648.82)。
  • 2011年3月28日 - バージョン11.0系のベータ版が公開(v11.0.696.25)。
  • 2011年5月9日 - バージョン12.0系のベータ版が公開(v12.0.742.30)。
  • 2011年6月16日 - バージョン13.0系のベータ版が公開(v13.0.782.24)。

開発版

  • 2008年9月25日 - 開発版を公開。
  • 2008年12月16日 - 正式バージョンの開発版が公開(v1.0.154.39)。
  • 2009年1月8日 - バージョン2.0系の開発版が公開(v2.0.156.1)。
  • 2009年3月27日 - バージョン3.0系の開発版が公開(v3.0.182.2)。
  • 2009年8月17日 - バージョン4.0系の開発版が公開(v4.0.201.1)。
  • 2010年1月29日 - バージョン5.0系の開発版が公開(v5.0.307.1)。
  • 2010年5月20日 - バージョン6.0系の開発版が公開(v6.0.408.1)。
  • 2010年8月25日 - バージョン7.0系の開発版が公開(v7.0.503.0・1)。
  • 2010年10月12日 - バージョン8.0系の開発版が公開(v8.0.552.0)。
  • 2010年11月2日 - バージョン9.0系の開発版が公開(v9.0.570.0)。
  • 2010年12月16日 - バージョン10.0系の開発版が公開(v10.0.612.1)。
  • 2011年2月28日 - バージョン11.0系の開発版が公開(v11.0.686.0)。
  • 2011年3月24日 - バージョン12.0系の開発版が公開(v12.0.712.0)。
  • 2011年5月12日 - バージョン13.0系の開発版が公開(v13.0.761.0)。
  • 2011年6月16日 - バージョン14.0系の開発版が公開(v14.0.794.0)。

更新内容と主な性能

Google Chrome

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メジャーバージョン リリース日 WebKit[22] V8[23] OS 重要な変更点
0.2.149.29 2008-09-08 522 0.3 Windows 最初のBetaリリース
0.3.154.9 2008-10-29 522 0.3
  • プラグイン及びプロキシの性能・信頼性の向上。
  • スペルチェック機能。
  • タブ・ウインドウ管理システムを更新。
0.4.154.25 2008-11-24 525 0.3
  • ブックマークのインポート・エクスポート機能。
  • プライバシーに関する設定をオプションに追加。
  • ポップアップブロックの通知方法を変更。
  • いくつかのセキュリティ修正。
1.0.154.36 2008-12-11 528 0.3 最初の安定版
2.0.172.43 2009-05-24 530 0.4
  • Sunspiderベンチマークの35%高速化。
  • マウスホイール
  • 全画面表示
  • ページ全体のズーム
  • フォームの自動記入
  • タイトルによるブックマークの整列
  • タブの統合・分離機能を追加。
  • 基本的なGreaseMonkeyユーザスクリプト)のサポート。[24]
3.0.195.33 2009-10-12 532 1.2
  • よりカスタマイズできる、新しい「新しいタブ」ページ。
  • 25%速いJavaScript。
  • HTML5 のvideoとaudio要素のサポート。
4.0.249.89 2010-01-26 532 1.3
4.1.249.1064 2010-04-27 532.5 1.3.18.22
  • 翻訳ツールバー
  • プライバシー機能の追加[27]
5.0.375.127 2010-06-10 533.4 2.1.10.13 Windows
Mac
Linux
  • Mac OS XLinuxに対応。
  • JavaScriptが30%〜35%高速化。
  • Adobe Flash Playerの標準搭載および自動アップデート。 (10.1公開以降から)
  • Geolocation API、File ドラッグ&ドロップ(HTML5)、Web Storage (sessionStorage)、Web WorkerでのWebSocket対応。
  • ブックマークだけでなく、ブラウザの設定の同期。
  • 拡張機能のシークレットウィンドウでのオン・オフの選択。
6.0.472.63 2010-09-22 534 2.2.24.19
  • UIの改善
  • オートフィル
  • 拡張機能やオートフィルの同期
  • HTML5 のmeterとprogress要素のサポート。
  • VP8/WebMサポート
  • File APIでバイナリファイルの読み込みのサポート
  • JavaScriptの高速化
7.0.517.44 2010-11-04 534.7 2.3.11.17
  • Mac で AppleScript のサポート
  • HTML5 パージングアルゴリズム
  • File API、ディレクトリアップロード
8.0.552.237
2011-01-21 534.10 2.4.9.14
  • ビルトインPDFビューアー
  • Chrome Web Store対応
9.0.597.98 2011-02-11 534.13 2.5.9.11
  • WebGL (要OpenGL 2.0対応)
  • Chrome インスタント検索 (Google Instant)
  • Google クラウド印刷
  • WebPのサポート
  • 拡張機能が表示するボタンを非表示にできるようにした
  • Adobe Flashをサンドボックス内で実行
  • JavaScript での型付き配列 (Typed Array)[28] およびそれの XMLHttpRequest でのサポート
10.0.648.127 2011-03-09 534.16 3.0.12.18
  • JavaScriptの高速化
  • 設定画面のデザイン変更
  • ウェブアプリケーションのバックグラウンド実行
  • 動画の再生にGPUを利用
  • MathML
11.0.696.71
2011-05-24 534.24 3.1.8.12
  • HTML5 音声入力 API
  • GPUを使用した3次元CSS
  • 新しいアイコン
  • Indexed Database API
  • Timing control for script-based animations
  • video要素でのH.264のサポートの廃止
12.0.742.122(Windows/Mac)
12.0.742.124(Linux)
(現在の安定版)
2011-07-12 534.30 3.2.10.15
  • 3D CSSのハードウェアアクセラレーション
  • 悪意のあるファイルをダウンロードしないための新しいSafe Browsing Protection機能
  • ChromeからFlash cookiesを削除する機能
  • Omniboxから名前を指定してアプリを起動
  • 同期を新しい設定ページに統合
  • 改善したスクリーンリーダーのサポート
  • MacでCommand-Qを入力した際の警告
  • Google Gearsの削除
13.0.782.55(Windows/Mac)
13.0.782.56(Linux)
(現在のβ版)
2011-07-12 535.1 3.3.10.17
  • インスタントページ
  • アドレスバーで部分一致で表示
  • プリントプレビューとPDFに保存
  • Making progress on rel:preload
  • Float64Array (JavaScript)
  • クォータストレージ管理API (JavaScript)
  • Page Visibility[29]
14.0.825.0
(現在の開発版)
2011-07-18 535.1 3.4.12.1
14.0.826.0
(現在のカナリア版)
2011-07-19 535.1 3.4.13.0 Windows
Mac

Chrome Frame

基本的に、Google Chrome と同一バージョンで同一日にリリースされている。

メジャーバージョン リリース日 OS 必要なブラウザ 補足
4.0.211.7 2009-09-22 Windows IE6/7/8/9 最初のBetaリリース
4.0.249.89 2010-01-26
4.1.249.1064 2010-04-27
5.0.375.127 2010-06-10
6.0.472.63 2010-09-22
7.0.517.44 2010-11-04
8.0.552.224
2010-12-09
9.0.597.19
2010-12-13
10
11.0.696.77
12.0.742.122 2011-07-12 (現在の安定版)
13.0.782.55 2011-07-12 (現在のベータ版)
14.0.825.0 2011-07-18 (現在の開発版)

更新履歴

バージョン別の市場シェア(Net Applications社 2011年6月[30]

バージョン シェア 先月比
Chrome 5.0 0.10 % -0.01
Chrome 6.0 0.16 % -0.01
Chrome 7.0 0.09 % -0.01
Chrome 8.0 0.21 % -0.14
Chrome 9.0 0.21 % -0.05
Chrome 10.0 0.62 % -0.58
Chrome 11.0 3.93 % -5.80
Chrome 12.0 7.32 % +7.00
Chrome 13.0 0.24 % +0.14
全てのバージョン 13.11 % +0.59

ウェブブラウザ全体でMozillaFirefoxに続き、3番目のシェアを獲得している。

市場シェア

[ヘルプ]
  1. ^ Google Chrome ReleasesGoogle Japan Blog: ChromeにGoogle Chrome Releasesの翻訳が提供されている)
  2. ^ Google Chrome、1日で1%のシェア獲得 - ITmedia News
  3. ^ 「Google Chrome」、米国では200万人がダウンロード--ニールセン、公開1週間の数値を発表:マーケティング - CNET Japan
  4. ^ 進化を続ける Chrome。より速くなった新バージョンを提供します Google Japan Blog 2010年5月26日
  5. ^ 【レポート】Google Chromeが検索プロバイダに送信するデータ、Chromiumがある真の理由 (1) Google Chrome = Chromium + GoogleUpdate + RLZ | エンタープライズ | マイコミジャーナル
  6. ^ [1]
  7. ^ Google Chromeに携わったキラ星のような開発者たち:コミックから読み解く - builder by ZDNet Japan
  8. ^ ブラウザバージョン移行状況、Chromeは理想的な状況
  9. ^ Flashを統合した「Google Chrome」最新安定版、脆弱性の修正も
  10. ^ Chromium Development Calendar and Release Info (The Chromium Projects)
  11. ^ Google、6週間毎にChromeの新バージョンを提供へ
  12. ^ IE9Betaは現在まだ対応していない。
  13. ^ Early Access Release Channels - The Chromium Projects
  14. ^ Google Chrome Google Japan Blog 2008年12月12日
  15. ^ Google Chrome 2.0 Stable リリース Google Japan Blog 2009年5月22日
  16. ^ とりあえず今すぐ使えるChromeエクステンション、11種類ご紹介 TechCrunch 2009年12月6日
  17. ^ Karen Grunberg (2011年4月27日). Chrome Stable Update (英語). Google Chrome Releases. 2011年4月27日閲覧。
  18. ^ Google Chrome: Beta リリース 3.0.193.2 Google Japan Blog 2009年7月25日
  19. ^ Google、ブックマーク同期機能を備えた「Chrome 4」β版リリース - マイコミジャーナル
  20. ^ Windows版のみの公開となった
  21. ^ Windows版以外は2010年2月11日にv5.0.307.7として公開されていた。
  22. ^ Release Notes - The Chromium Projects
  23. ^ ChangeLog - v8
  24. ^ Google Chrome Releases: Stable Update: Google Chrome 2.0.172.28
  25. ^ Google Chrome Releases: Stable Channel Update
  26. ^ Google Japan Blog: Google Chrome 4.0 による拡張およびブックマーク同期機能、最新 Web 標準機能の提供
  27. ^ Google Chrome Releases: Stable Channel Update
  28. ^ Typed Array Specification
  29. ^ Webページの"閲覧中"を通知するPage Visibility API--IE10/Chrome 13が対応 | エンタープライズ | マイコミジャーナル
  30. ^ NetApplications社. Browser Version Market Share (March, 2011). 2011-4-29閲覧。

脚注

関連項目

後で読む

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