特別対談 河野太郎(自民党前幹事長代理)×山本太郎(俳優) 「原発に買われた政界と芸能界」

2011年09月30日(金)
upperline
対談は終始和やかな雰囲気で行われたが、国民投票の是非に話が及ぶと意見の違いから緊張が走る場面も

 ところで、河野さんはずっと前から、原発から再生可能エネルギーへのシフトを訴えてきましたよね。地震の活動期に入っても稼働している原発があること自体、クレージーですが、やっぱり一斉停止は難しいんですか?

河野 結論から言うと、おそらく原発を全基止めても、皆さんにこれだけ節電に協力していただいているので、電力不足でパニックになることはないと思います。こう言うと原発推進派は、「じゃあ火力で何か事故が起きた時にどうするのか」と反論しますが、例えば東京都は『コンバインドサイクル』という100万キロワットの天然ガスの発電所を作ると宣言しているし、全国でも原発に代わるエネルギーへのシフトは進んでいるんです。

 しかし、化石燃料ほどではないにしても天然ガスも二酸化炭素を出すので、「京都議定書」を遵守するためには、それ以外で二酸化炭素の削減をかなりやらなければならない。また、そのためのコストも嵩んできます。しかし、「それでも脱原発に舵を切るんだ」という国民のコンセンサスが得られれば、原発を即時停止するという選択肢にも、十分に実現可能性があると思います。

国民投票で決めるべきなのか

山本 そのために日本でも国民投票を導入して、脱原発にイエスかノーかを問うことができないのでしょうか? イタリアでは、フクシマの原発事故以降、原発政策で国民投票を行い、それを即政策に結びつけています。

河野 それは安直すぎるように感じます。国民投票を持ち出すと、例えばなぜ年金は国民投票をしないのかなどという話になってきて、争点をズラされてしまいかねません。

山本 ただ、年金の問題と違って、原発は国民の命に関わることだと思っています。そのような国家の存続に関わるような重大な問題には、国民投票をするというのも手ではないのでしょうか? 正直、国民投票で何かを国民に決められてしまうのは、国会議員にとっては面白くない感じですか?

previous page
4
nextpage


最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
昨日のランキング
直近1時間のランキング
編集部お薦め記事
最新記事