特別対談 河野太郎(自民党前幹事長代理)×山本太郎(俳優) 「原発に買われた政界と芸能界」

2011年09月30日(金)
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ノーベル賞作家の大江健三郎氏や、ルポライターの鎌田慧氏も子どもを被曝から守ろうと声を上げている

山本 僕は3・11が起きる前から、何となく原発の安全性には不安を持っていましたが、それを正視することを避けていたような気がします。だからフクシマの事故が起きた時、自分にもあの事故を起こした責任があると感じ、口を噤んだまま生きることができなかったんです。ツイッターに「テロ国家日本の片棒担げぬ」「反対。って言うと、芸能界で仕事干されるんです、御存知でした? でも言ってやります、反対!」と初めて書き込んだ時、解放感から涙が出ました。

河野 やはり、芸能界への電力会社からの圧力は相当なものですか?

山本 はい。実際僕も今、事実上干されていますし。同業の俳優や女優さんから、「応援しているよ!」と励ましの電話をもらうことも多いんですが、決まって「自分にはできないけど」と付け加えられます(笑)。特に東京の放送局が一番閉鎖的だと感じますね。例えば東京の某テレビ局からフクシマのことについてインタビューを受けて喋ったのですが、最終的に上層部の〝検閲〟で違うモノに変えられていたことがある。関西のほうが自由にモノを言える雰囲気がありますね。

河野 私は先日テレビ局の人に、『当分の間、キー局が東電から広告をもらえることはないだろう。でも、地方のテレビ局のローカルニュースは電力会社から広告料をもらっているので、電力会社批判には手心が加えられている』という話を聞きました。青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場の反対運動について、坂本龍一さんや元『LUNA SEA』のSUGIZOさんとお話しした時も圧力があったと聞いたことがあります。

山本 電力会社から直接的に力が加わることもあるだろうし、マスコミが自主規制することもあるだろうと思います。「いつかは仕事をお願いしたいけれど、今はちょっと・・・・・・」と言われたこともあります。そしておカネで去勢された新聞やテレビが、政府や東電の情報隠しに一役買っている・・・・・・言葉は悪いが、国賊ですよね。河野さんにズバリ聞きたいのは、放射性物質の拡散地域を予測する『SPEEDI』の情報開示が遅れたり、放射線の健康リスクに対して「直ちに健康に影響はない」などと発表してきた政府の失策は、民主党ゆえのものだったのか? それとも自民党でも同じような間違いを犯したのか? という点です。

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