国際【高英姫の真実】「喜び組」出身の“側室” 父は日本軍協力者 金日成主席は正恩氏を孫と認めず+(1/2ページ)(2012.2.15 07:39

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【高英姫の真実】
「喜び組」出身の“側室” 父は日本軍協力者 金日成主席は正恩氏を孫と認めず

2012.2.15 07:39 (1/2ページ)金正日総書記
高英姫氏

高英姫氏

 北朝鮮の新指導者、金(キム)正恩(ジョンウン)氏の母、高(コ)英姫(ヨンヒ)氏(2004年死亡)が在日朝鮮人出身であるだけでなく、後に「喜び組」と呼ばれる接待役だった経歴などから、祖父の金(キム)日成(イルソン)主席が生前、正恩氏を正式な孫と認めていなかったことが14日、関係者などの証言により分かった。父は日本軍への協力者といえる軍需工場労働者で、密航船を運営し逮捕され、やむなく北朝鮮に渡ったことも判明。“負の出自”は、16日の金(キム)正日(ジョンイル)総書記生誕70周年を境に加速しそうな正恩母子の偶像化に打撃となりそうだ。(桜井紀雄)

 高英姫氏は、格闘家の高太文(テムン)氏の娘という説が広く信じられてきた。しかし、北朝鮮の民主化に取り組むNPO「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)が北朝鮮内部や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関係者らから得た証言と、在日朝鮮人の帰国者名簿など複数の記録から、父親は韓国・済州(チェジュ)島出身の高京沢(ギョンテク)氏だと裏付けられた。

 太文氏の娘と高英姫氏の帰国時期や年齢、「万寿台(マンスデ)芸術団」で活動した経歴が似ていたため、誤解が生じていたが、韓国の情報機関、国家情報院も「父は京沢氏だ」としていた。

 関係者らの証言などによると、京沢氏は1929年に出稼ぎのため渡日。陸軍管理下で軍服や天幕を作る大阪市の「広田裁縫所」で働いた。戦後、済州島への密航船を運営し日本の警察に逮捕され、出所後、62年に家族を連れ北朝鮮に渡った。法務記録には「強制退去」と記された。他の在日朝鮮人のように「地上の楽園」を夢見た帰国ではなく、半ば強制的な送還だった。

(次ページ)秘密パーティーで接待役、そして金総書記の固定パートナーに

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万寿台芸術団時代の高英姫氏(中央)。後に「喜び組」に属したのか(1970年代の北朝鮮の絵はがきから)

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