巨大地震の前触れなのか!? 5日間で6cm岩盤がゆっくり滑っていた 房総沖でうごめく 「スロースリップ地震」の不気味

2011年11月23日(水) フライデー

フライデー経済の死角

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「確かにスロースリップ地震は、ごく稀に大きな地震につながる場合があります。『ゆっくり滑り』が数日単位で収束する場合には危険性は低いが、1週間以上も滑り続け、さらに加速度的にスリップが速まり、地滑りの距離が長くなる場合には大地震を誘発する危険性が高まるとされています」

 幸いにも今回の観測ではスロースリップ地震は5日間で収まったとみられるが、日本列島全体が地震の活動期にある今、決して楽観視はできない。また、前回'07年のスロー地震発生期には、最大震度5弱の群発地震が誘発されて起きたことが報告されている。房総半島沖で観測された今回のスロースリップ地震はあの〝未曾有の大震災〟の一環であり、警戒を解くことはできないのだ。そして、スロースリップに注意が必要なのは関東地方だけに限らない。

「スロースリップは駿河湾トラフや南海トラフなど、東海、東南海、南海の大型地震が危惧されている地域でも観測されている。危ないのは房総半島沖だけではないのです」(前出・川崎氏)

 4つの巨大プレートがひしめき合い、〝地震の巣〟と表現される日本列島に安寧の地はない。3・11から8ヵ月が経ち、復興に目が向きがちな今、もう一度足下の安全に気を配る必要がありそうだ。

「フライデー」2011年11月25日号より

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