保管タンクを作っても作っても、高線量の水が建屋の地下に溜まっていくのだ 東電は「行き場のない汚染水8万t」 どうするのか

2011年12月09日(金) フライデー

フライデー経済の死角

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 だが、大量の放射性物質を海に流出させて国内外から批判されたことを考えれば、たとえ除染された水とはいえ、この方法をとるのは容易ではないだろう。しかも、東電がこれまで発表していた海への放射性物質の流出量は4月1日以降の流出量の累計に過ぎない。9月下旬に電力中央研究所により発表された調査結果では、実際の汚染水漏れは3月26日から始まっており、その量は東電の発表値の3倍(3500テラベクレル)にあたるということが判明。東電への不信感が再び高まっているのだ。笠井氏はまた、新たな問題点も指摘する。

「セシウムを吸着するために使われた『ゼオライト』などの廃棄物質をどう処分するのかというのも、大きな問題です。最終的には、地下シェルターのようなものを作って、地層処分をするしかないのではないでしょうか」

 汚染水処理の問題は、まさに八方ふさがりの状況なのである。

「フライデー」2011年12月16日号より

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