練習するうちに、だんだん曲をかけても跳べるようになり、徐々に自分のモノになっていきます。2010年のバンクーバー五輪(8位)、そして銀メダルだった昨季の世界選手権では、4回転を成功させても、まだ完全にモノになったという感覚はありませんでした。昨年末の全日本選手権(2位)で、ようやくそうした感覚がついてきたと思います。
■考えるタイプ
僕はものすごく考えるタイプです。失敗すると、理由を自然と考えます。「こうしたからダメだったのか」「あれもダメだったか」などと、自分でミスした原因をつきつめていきます。
最終的には感覚的なものだと思うけれど、「手の位置はここ」「ターンの入りはこう」「踏みきりのタイミングはここで、このときに手をキュっと引く」というのが、見えてきます。こういったことができれば、緊張したときも、そのポイントだけ確認すればいい。4回転もそんなジャンプになってきたと思います。
数をこなせば身につくものでもありません。4回転は跳びすぎると、ケガをします。僕も国体の後、ちょっと腰が回りにくかった。多分、4回転の衝撃です。
力をギュッと入れて体を締めて跳ぶから、肩も凝るし、目も疲れます。試合後、トレーナーにストレッチをしてもらったら、よく見えるようになり、いうならば“視界が開けた”ような感じでした。それだけ負荷がかかるジャンプなんだって、改めて実感しました。
■“引き出し”が多いと安心
とりあえず国体のおかげで、世界選手権に向けて気持ちに余裕が生まれました。4回転はフリーに1つ、2つ……、いろんなパターンがあるぞ、という。“引き出し”が多いと安心できます。
今季はここまでが大変でした。(昨年11月に掲載した)前回でも触れましたが、スケート靴が合いませんでした。靴は外国製ですが、同じ型番を取り寄せても、品質が一定ではありません。かかとが割れたり、本来なら足首の辺りにシワが寄るように癖をつけたいのに、靴の先っぽについてしまって足を曲げにくかったり……。
1月に地元・名古屋で初開催された冬季国体で、小塚崇彦選手(トヨタ自動車)はショートプログラム(SP)、フリーで計3度の4回転ジャンプを初めて跳びました。「試合をする上での“持ち球”が増えた」と小塚選…続き (2/14)
バンクーバー五輪フィギュアスケート銅メダリストの高橋大輔選手(25、関大大学院)を招いて12日、「ステップ、ステップ、ステップ~明日への一歩」と題した電子版スポーツセミナーが東京・八重洲で開かれた。…続き (1/26)
世界女王として迎えるはずの今シーズン、安藤美姫選手(トヨタ自動車)は試合を休む決断をしました。日本で、米国で、ショーに駆け回っています。1月は5日の名古屋を皮切りに大阪、東京、そして米国へと飛びます…続き (1/5)
コミッショナーからの手紙「王氏の殿堂入りは…」 (2/13)
五輪チームが映すサッカー界の「世相」 (2/5)