ドリブルで田口(右)をかわすダニルソン=実相寺サッカー競技場で(今泉慶太撮影)
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今季札幌から完全移籍した名古屋グランパスのMFダニルソン(25)が13日、長期の在籍を熱望した。2年間の札幌からの期限付き移籍を経て、日本でのプレーは4年目。強靱(きょうじん)なフィジカルでグランパスに欠かせない存在となっている助っ人は、コロンビア代表としてブラジルW杯を目指すことよりも、グランパスでの優勝を最大の目標に掲げた。
長い足をしならせ、攻守に規格外のプレーで見る者を魅了する。昨年は故障により参加できなかった別府キャンプで、ダニルソンが躍動中だ。身も心も契約もグランパスの一員となった助っ人は、「僕のことを信頼して(札幌から)買ってくれたこのクラブのために、最大限の努力を尽くすことを考えたい。チームをサポートし、そして優勝したい」と意気込んだ。
契約は単年。ただし、推定3億円の移籍金で獲得したクラブ側が延長オプションを持つため、活躍次第で長期在籍が実現する。妻のマルリさん(24)ら家族も名古屋での生活を歓迎しており、「2年でも4年でも可能な限り長くプレーできれば最高だ」と白い歯を見せた。
故郷ではすでにブラジルW杯南米予選がスタート。母国コロンビアは3試合を終え、6月には第4戦が控える。ダニルソンも来日前の08年まで代表の有望株として3キャップを記録しているが、今はW杯出場の名誉よりも欲しいものがある。
「日本に来たときから、正直代表に戻ることは考えていない。代表選手は欧州で多くプレーしているし、アジアには監督も視察に来ない。もちろん代表に戻れたらうれしいけど、今はチームの優勝が目標だ」。W杯より名古屋愛が、助っ人の心を占めている。
もちろん、ACLで優勝しクラブW杯出場となれば、母国にも活躍する姿は届く。「そうなればうれしいけど、むしろ大会のメーンスポンサーがトヨタだから出場しないといけないね」と笑った。配球だけでなく気配りもできるJ最強のボランチは、長くグランパスの中盤を支えてくれそうだ。 (宮崎厚志)
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