北朝鮮で昨年来、金正日(キム・ジョンイル)総書記の母親の金正淑(キム・ジョンスク)氏の銅像が壊されるなど、反体制の動きが散発的に起きているとの情報を、韓国の与党・セヌリ党の尹相現議員が明らかにした。情報機関から入手した資料に基づくものだとしている。
尹議員によると、昨年10月に北部の会寧(フェリョン)にある金正淑氏の銅像が破損しているのが見つかったほか、昨年4月には平壌の朝鮮労働党創建記念塔も壊された。また、9月には主な大学や市場の周辺で「世襲は社会主義に対する背信だ」「金正恩(キム・ジョンウン)を打倒しよう」との落書きが見つかったという。
尹議員は「事件は金正恩体制の船出の前後で少しずつ増えてきた。最近も起きており、金正恩体制への一般住民の忠誠がまだ弱い証拠だ」とみる。ただ、散発的な動きにとどまっており、体制の維持には問題はないとの見方が多い。(ソウル=貝瀬秋彦)