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税と社会保障の一体は今回で終わり - 次は別の口実と言説で
そろそろ、マスコミが消費税の世論調査を打ってくる頃だ。増税に賛成が反対を上回ったという「数字」を見せ、「逆転」を演出して報道するタイミングかと思われる。税と社会保障の一体改革について理解が進み、増税を拒否していた国民も必要性を認識して納得するようになり、反対の声が減ったという「事実」を報道するのではないか。増税法案へと動いている野田政権を援護する政治環境を整え、野党に協力を促すべく、マスコミは「世論」を作ってくるはずだ。いつまでも反対世論が多いままだと、政府は増税法案を国会に提出できなくなり、成立の見通しが立たなくなる。この2週間ほど、ずっと年金の問題が議論になったが、消費税増税を押し切る材料として有効に機能した。野党(自公)は法案に反対の構えを見せているが、どうやらこれはポーズで、少しずつ態度を軟化させているのが窺える。そもそも、消費税の即時5%引き上げは、自民党の2年前の参院選での公約であり、自公の側に正面から増税法案に反対する道理も名分もない。与野党協議で先に合意を作り、合意を大綱にして閣議決定という野田佳彦の戦略は崩れたが、閣議決定を先にしろというのは自公が要求した線であり、政権側がそれに従って忠実に動いている。国会を俯瞰すれば、与党案を修正させて成立という暗黙のゴールに向けて、事態が着々と進行していることが察せられる。
一つ、予測を述べてみよう。今回、消費税が10%(→8%→10%)に引き上げられた後、官僚はさらにこれを15%に、さらに20%に引き上げる動きに出るに違いないが、そのとき、官僚と政治とマスコミは、何を口実にして消費税増税を謀ってくるだろうか。法案がそのまま成立すると、来年(2014年)4月に消費税は8%に、再来年(2015年)10月に10%に引き上げられる。仮にこの増税が実施された場合、景気が大幅に落ち込み、失政が明らかになり、再び増税を動かすにはハードな環境になるに違いないが、官僚と財界が次を仕掛けてくるのは確実で、5年後(2017年)には、法案を準備する日程に入っているだろう。このとき、おそらく官僚は、今回のような「一体改革」の戦略には出ないはずだ。社会保障の財源という口実で消費税増税を仕掛け、大衆を納得させる手段には出ないと思う。社会保障の整備なり維持が、消費税増税の根拠にされて正当化されるのは、今回が一度きりで終わりだと私は予想する。いま言われているような、年金財源のために消費税の再増税という場面は、少なくとも今後10年から20年の間には起きないだろう。その理由は、「一体改革」が嘘だとバレるからである。消費税が10%に増税されても、官僚側は次々と社会保障の切り下げと負担増の手を打ってくるのであり、社会保障は現状で維持されることはないのだ。
医療や介護や年金は、年度当初予算の編成のたびに改悪される。そのため、「一体改革」が単に増税の口実であった事実が明らかになり、増税を呑ませるための嘘だったことが国民に周知され、「一体改革」への批判がコンセンサスになるだろう。現在、「一体改革」を推進する側に立ち、それをマスコミで扇動している論者たちが、「一体改革」の無意味と不当を言い出し、あれは官僚のペテンだったと堂々と言い、騙された国民を宥める口上を言い、法案を成立させた(当時の)野田政権を糾弾しているに違いない。そして、別の論法で次の消費税増税の必要性を説得し始めるのだ。それは、対中防衛費かもしれないし、原発廃炉費かもしれない。そういう具体的な根拠は挙げず、単に財政破綻(国債費増)への対処をストレートに理由にするかもしれない。そのとき、消費税と社会保障をリンクさせる言説は後退しているはずだ。むしろ、官僚やマスコミの方が、消費税と社会保障をリンクさせる財政論は間違いだと言い出しているだろう。国民が、社会保障維持を理由にした消費税増税が詐欺だったと実感で気づけば、社会保障と消費税をリンクさせた政策論の説得力はなくなる。北欧福祉国家モデルを餌にして誘導したところの、消費税増税の手口は通用しなくなる。今回の増税の首尾の後、官僚は、再び社会保障と消費税を切り離すはずだ。二つはそもそも無関係だと言い出す。
消費税の目的は社会保障に限定されないという議論を台頭させるだろう。先週末、日本は1973年以降の低成長時代に社会保障を充実させ、そのときは消費税なしで福祉国家に取り組んだのだとツイートした。そうすると、その頃と今とでは年金の受給者数が違っていて、単純に比較はできないという反論が返ってきた。「一体改革」を正当化し、消費税増税を推進する側からの茶々入れである。一見すると尤もな議論だ。現在の方がはるかに年金受給者が増え、支給総額が増大していて、当時と同じ条件で社会保障の財源を充当できないではないかという主張である。これは、年金だけでなく医療も同じ論理だろう。しかし、よく考えて欲しい。高齢化に伴い、社会保障の予算が毎年1兆円ずつ増えているという言説、あるいは財政的事実は、一体いつから言われ始めていることなのか。竹中平蔵が小泉政権のブレーンとなったのは、今から11年前の2001年のことで、後に冷酷を叩かれる「聖域なき構造改革」に着手する。入院ベッド数を減らし、リハビリの日数を減らし、診療報酬を引き下げ、患者の自己負担を増やした。これら、医療崩壊をもたらした元凶の諸政策は、小沢一郎の「国民の生活が第一」によって否定され、2009年の政権交代へと繋がる下地となったが、この無慈悲な「改革」を断行するとき、竹中平蔵とマスコミが錦の御旗として掲げたのが、「毎年1兆円ずつ増える社会保障費の伸びを抑える」だった。
財政再建のために社会保障削減に着手すると言い、マスコミは竹中平蔵の「改革」を支持したのである。「毎年1兆円ずつ増える社会保障費」という言説は、竹中平蔵が登場する前の1990年代から、否、1980年代からずっと言われ続けている問題だ。政府が作成した
グラフ
を見ると分かる。今に始まった問題ではなく、1980年代からの国家財政の所与であり、社会保障費が伸び続ける中で財政運営をしてきたのである。この間、年金受給者は増え続け、支給額も増え続けていたのであり、何も財政上の条件や論理は変わっていない。今も昔も同じだ。「社会保障費が毎年1兆円ずつ伸びる」という問題も、それに対応する税収が必要だという問題も、今に始まったことではない。この点をしっかり確認したい。その上で、何が問題なのかを考える必要がある。ここに、日本のGGPの
推移
と一般会計の税収の
推移
を重ねれば、問題の本質が分かるのではないか。つまり、昔と今とで前提が変わったのは、社会保障費の増加ではなくて、経済の成長と税収の伸びの方なのだ。すなわち、
経済
が順調に低成長で推移し、他の先進国と同じような
ペース
で経済を拡大させ、それに見合った応分の税収を得ていれば、現在のような財政危機に直面することはなかったのである。バブル崩壊後の景気回復に失敗し、格差社会の構造に変えて成長を止め、失われた10年を20年にしたから、異常な税収減の状態が続き、必要な社会保障費に充当する財源が不足しているのである。
それが結論だ。日本の国家予算は、一般会計と特別会計を合わせて年間266兆円(2010年度)ある。国債を発行して収入を補填しているのは一般会計の方であり、一般会計の半分を国債で賄っていると言っても、国家予算の総額からすれば16%分に過ぎない。特別会計についてのデータが少なく、マスコミでも取り扱われないため、一般会計と特別会計を合わせた数字がどういう推移なのか不明なのだが、少なくとも、この規模があるのであれば、毎年1兆円ずつ増える社会保障費に対応するということは、財政的にさほど難しい問題だとは思わない。官僚は、とにかく消費税を上げたい一心で、殊更に財政危機を強調する切り口で数字を作って公表し、社会保障費の増大が異常だという言説と観念をマスコミを使って刷り込み工作させている。だが、特別会計の方を切り込んで、その無駄の根源を手術で切除すれば、毎年1兆円や2兆円に相当する部分は切り出せるはずで、そこから、社会保障費の伸びに対応する「恒久財源」を見つけることができるはずだ。鳩山由紀夫も、2009年の選挙のとき、民間企業なら1割くらいの経費削減は当然だと言い、一般会計と特別会計を統合して16.8兆円を捻出すると断言していた。特別会計の176兆円(2010年度)には、例の「xx機構」の天下り法人が無数に寄生していて、そこで官僚たちが昼寝同然の「事業」をし、退職金を鷲づかみにしている。176兆円の中には、国債償還費の74兆円が含まれるが、それにしてもこの国家事業の支出規模は大きい。
原発事業の再生産に年4200億円を投入しているエネ特会もこの中にある。たしかに、社会保障費が増大しているのも事実だし、一般会計の税収が不足して財政危機になっているのも事実だろう。しかし、その割に肥大する特別会計の無駄の削減は進まず、天下り法人は一向に清算される気配がない。予算編成の度に新しい国の事業が増え、予算が付き、天下り官僚を受け入れてゆく。天下り法人は増殖している。毎晩のように、「専門家」としてNHKの7時や9時のニュースに登場し、その健在と安泰を誇示している。日本の国家予算を総額266兆円として据え、剰余金や積立金を残らず洗い出し、資金運用の実態を精査すれば、社会保障費の毎年の伸び分(1兆-2兆円)に充当する運用基金を確保することは、それほど困難なことではないだろう。年金の受給者と支給額は増えている。過去と較べて比較にならぬほど増えている。が、同時に、国庫(特別会計)の方も、運用資金の累計を増やしていて、浜矩子が言うような債権国家型に性格と規模を変えている。だから、年金の受給者が増えても、それに対応する国家財政の準備は物理的にはあるのだ。その意味では、「社会保障と消費税」という政治問題は、国庫に蓄えた資産を官僚が放蕩で食い散らかすのか、それとも国民の医療や年金に使うのか、その二つの道の対立なのである。3年前、民主党の政権交代の気運が高まった頃を思い出すべきだが、そのときのマスコミは、今のように財政危機を煽ってはおらず、社会保障のための消費税増税の議論を背後に退かせていた。
「国民の生活が第一」の方が正論になっていた。
by
thessalonike5
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2012-02-13 23:30
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