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習近平副主席 ワシントン到着

2月14日 5時52分

中国の次の最高指導者としての地位を固めている習近平国家副主席は、アメリカの首都、ワシントンに到着し、5日間にわたる公式訪問を開始しました。

習近平国家副主席は、13日から5日間の日程でアメリカを公式訪問することになっており、日本時間の14日午前5時前、特別機でワシントン郊外のアンドリュース空軍基地に到着し、アメリカ政府関係者の出迎えを受けました。
習副主席は、ワシントンで、オバマ大統領やバイデン副大統領と会談し、イランやシリアなどの中東情勢や、朝鮮半島情勢、さらには、米中間の貿易不均衡の問題などを巡って意見を交わす見通しです。
習副主席は、ことし秋の共産党大会で、胡錦涛国家主席を継いで党のトップの総書記に就任する見通しで、2008年に国家副主席に就任以降、活発な外交活動を展開しており、今回の訪米はその総仕上げと位置づけ、中国の次のリーダーとしての存在感を内外にアピールしたいねらいがあるものとみられます。
習副主席は、さらに、アメリカ滞在中、中西部のアイオワ州や西海岸のロサンゼルスも訪問する予定で、このうち27年前に習副主席が地方の幹部を務めていたときに訪れたアイオワ州では、当時の関係者と交流することになっており、米中両国の友好ムードの演出に力を入れたい考えです。

知名度アップの総仕上げ

習近平国家副主席の今回のアメリカ訪問は、ことし秋の共産党大会で最高指導者への就任が確実視されるなか、国際社会での知名度アップの総仕上げともいえます。
習近平氏は、2008年に国家副主席に就任して以来、外交活動に本格的に力を入れてきました。最初の外交デビューの舞台となったのが、中国と伝統的な友好関係を持つ北朝鮮でした。
その後、習氏は、アジアやヨーロッパ、中東、アフリカなどを精力的に訪問。訪れた国の数は、4年足らずで、およそ40か国に上ります。中国の次のリーダーになることを意識しながら、存在感を高めようとする動きとみられています。
一方、習氏は、2009年12月に、日本を訪問しましたが、天皇陛下との面会について、慣例上の期限が過ぎたあとに面会を要請したことを巡り、日本国内では強い反発も受けました。また、同じ2009年に訪問したメキシコでは、公の場で「腹がいっぱいになって何もやることがない外国人が、われわれに対してあれこれ欠点を挙げつらっている」と発言したことから習氏の国際感覚を疑問視する声が上がったこともあります。
外交手腕は、未知数とされながらも、ことし秋の党大会で、最高指導者への就任が確実視されるなか、国際社会での知名度アップの総仕上げともいえるのが、今回のアメリカ訪問です。
習氏は、先月北京で行った講演で、米中関係の重要性を強調したうえで「米中の協力関係の推進に積極的な役割を果たしたい」と述べるなど、アメリカとの関係強化に並々ならぬ意欲を示しています。