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【1月31日】農地土壌の放射性セシウムにかかる土壌調査結果と今後の対応について(農政課)

 平成23年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、群馬県においても広範囲の農地で放射性物質が検出されました。
 県では、県産農畜産物の安全を担保し、また、生産者が安心して営農に取り組めるよう、平成23年4月より県内の農地土壌を対象とした放射性物質の調査に取り組んでいます。
 今後の作付けに向け、早急に技術対策を示す必要があるため、これまでの測定結果を基に、放射性セシウムの濃度分布図を作成するとともに、放射性セシウム濃度低減対策をとりまとめました。
 今回の調査結果を踏まえ、技術対策を講じ、安全な農畜産物の生産をさらに推進します。
 なお、本県では、放射性物質の検査を継続的に実施しており、農畜産物の安全性は確保されています。

1 土壌調査結果

(1)  調査概要

・ 県内を2.5キロメートル四方の区画に分け、市町村とJAの協力により農地のある各区画から調査対象ほ場を選定しました。
・ 水田では平成23年4月~6月に、畑・樹園地等では6月~12月に、計766カ所のほ場の土壌を採取しました。
・ 採取した土壌は、ゲルマニウム半導体分析装置を用いて放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)の濃度を測定し、すでに測定が終了した628カ所のデータを基に解析しました。

(2)  放射性セシウム濃度分布図の作成

・ 作物が根を広げる深さ約20センチメートルまでの作土中に含まれる放射性セシウム量(Bq/kg)を表した分布図で、作物栽培にあたっての技術対策の基礎となります。
・ 各データは測定時期が異なるため、放射性セシウムの減衰量を考慮し、基準日(6月14日)を設定して補正して表示しました。

(3)  結果概要

・ 農地土壌の放射性セシウムの濃度分布は、これまでのモニタリング調査や航空機モニタリングで得られた空間線量率の分布とほぼ同様の傾向を示すことがわかりました。
・ 県内の農地土壌の放射性セシウム濃度は、90%を超える農地で500Bq/kg以下であり、最も高い地域では、2,000~2,500Bq/kgの範囲でした。
 ※平成23年産米の作付規制対象となった土壌中の放射性セシウム濃度は5,000Bq/kg

2 農作物の放射性セシウム濃度低減対策


 農作物の栽培に当たっては、土壌診断を実施して田畑の状況を確認し、次の技術対策を行って、放射性セシウムが農作物へ吸収されることを抑制します。

(1)  放射性物質を作物に吸わせない

・ カリウムの適正施用 
   セシウムと化学的性状が似ているカリウムは、放射性セシウムの吸収を抑える効果が期待できるので、加里(カリウム)肥料を適正に施用する。
・ pH調整 
    pHが低いと土壌や有機物に吸着されていた放射性セシウムが遊離し、植物に吸収されやすくなるので、土壌pH6~6.5を目標に石灰質肥料などで酸度の矯正を行う。

(2)  土壌中の放射性物質濃度を低くする

・ 30センチメートルを目標としたロータリーによる深耕やプラウによる反転耕を行って、土壌中の放射性セシウム濃度を低くする。

(3)  放射性物質を入れない・増やさない

・ 堆肥や土壌改良資材・培土は、放射性セシウムの暫定許容値(400Bq/kg)以下のものを施用する。また、購入・譲受けの際には暫定許容値以下であることを確認する。
 

3 今後の予定


・ 今後、対策が必要な地域については、調査地点数を増やして、さらに詳しく放射性物質の調査を実施します。また、低減対策のために、土壌の種類やカリウムなど関連項目を分析し、詳細な解析を行う予定です。

・ 平成24年度以降は、県内70カ所程度のモニタリング地点で経年変化を調査します。

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