2011年12月14日 20時33分 更新:12月14日 20時51分
九州電力は14日、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2号機など原子炉3基について、再稼働の条件となるストレステスト(安全評価)の1次評価結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出したと発表した。全国で4基が提出済みで、九電としては今回が初めて。ただ、評価結果の審査に数カ月かかるうえ、「やらせメール問題」も解決していないことから、再稼働時期は依然として不透明なまま。保安院が指示した2次評価の年内提出も、九電は「時期が特定できない」という。
評価結果を提出したのは川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1、2号機を合わせた計3基。従来の安全対策に加え、東京電力福島第1原発事故を踏まえた高圧発電機車や仮設ポンプの配備といった緊急安全対策で、「安全上、重要な施設・機器などは設計上の想定を超える地震や津波に対しても安全性がさらに向上したことを確認した」という。
九電は8月26日から、定期検査で停止中の玄海2、3号機と、川内1号、10月7日から川内2号機で作業入り。しかし、玄海3、4号機で耐性調査の前提となる耐震安全性評価で解析データの入力ミスが見つかり、提出が遅れていた。
九電は管内原発の報告書を再点検して「安全性に問題なし」と保安院に報告。保安院は今月13日、両原発のストレステスト提出に必要な耐震安全性評価の再点検結果を「妥当」と判断した。残る玄海3号機は1次冷却水漏れ事故が9日に起きたばかりのため、今回は1次評価の提出を取りやめ、「数日中にも提出したい」という。【太田圭介】