2011年12月14日 10時54分 更新:12月14日 11時8分
【ワシントン古本陽荘】米上院のイノウエ歳出委員長(民主)は13日、在沖縄海兵隊のグアム移転経費の裏づけとなる12会計年度(11年10月~12年9月)の軍事建設歳出法案について、政府要求のグアム移転費、計1億5600万ドル(約120億円)を全額削除した法案が成立するとの見通しを示した。
訪米している自民党の石原伸晃幹事長らとの会談で、歳出法案の扱いは「(国防予算の大枠を定める)国防権限法案の判断と同じ方向になる」と述べた。米上下両院は12日の両院協議会で国防権限法案からグアム移転経費を全額削除することで合意した。
イノウエ氏は「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設が進んでいない。予算を付けても使われてこなかったので、使わないなら予算を付ける必要はない」と説明し、普天間移設の停滞がグアム移転費削除の主な理由になっているとの認識を示した。
また、石原氏らと会談したシファー国防次官補代理(東アジア担当)は日米合意計画を進める政府の方針に変更がないことを伝えたうえで、「普天間移設がなかなか進まなかったため、米議会は我慢できなくなった」と指摘した。
国防総省の広報担当者は移転費削除を受け、「移設の進展具合に議会が懸念を持っていることは理解する。引き続きこれらの懸念に応えていく」と述べた。