2012年2月13日のニュース
玄海原発に万が一のトラブルがあった際、30キロ圏内に住む住民はどう避難するのか。県の地域防災計画の見直しを進めている検討委員会はきょう4回目の会合を開き、原子力災害が発生した場合の 住民の避難計画をおおむね了承しました。
検討委員会は、東日本大震災や福島第一原発事故を受け、去年8月から防災や放射線医療の専門家などが県の地域防災計画の見直しを進めてきました。きょうは4回目の会合が開かれ、佐賀県の玄海原子力発電所で福島第一原発と同じような事故が発生した場合の30キロ圏内に住む住民の避難計画案が示されました。計画案によりますと、避難対象となるのは松浦市の全域や壱岐市、佐世保市、平戸市の一部などの6万2千500人で、住民は原則、自家用車で避難をし、離島に住む人の場合は、本土の港まで船で向かった後行政機関が用意した車などを使い避難します。松浦市の場合、東彼3町にある73の公共施設に分かれて避難するなど具体的な避難場所も示されています。また、玄海原発からおよそ50キロの圏内に安定ヨウ素剤の配備を検討していることも明らかにされました。
大津留晶 福島県立医科大学教授「(ヨウ素剤の配備は)多様な方法を考えといた方が良い例えば薬局に備蓄しておいてそこに取りに行くとか」「安全で管理が容易で経済的に問題がなくてしかも長期間出来るという方法をどうするかを良く考えないといけない」
きょう話し合った内容はおおむね了承され、検討委員会は今年度中に最終提言書を県に提出することにしています。
来年度の県の当初予算案は、およそ7004億円で、実質的には今年度とほぼ同じ額を維持しました。 来年度は、予算の63%を中村知事が掲げる総合計画に計上し、地域活性化や、アジア・国際戦略に力を入れます。
中村知事「出来るところから始めた予算編成総合計画に足らざるところを補強した、補強予算」
来年度の一般会計当初予算案は、7004億1200万円で、国からの経済対策関係基金事業の減少分を除くと、実質的には今年度とほぼ同じ規模となっています。雇用や所得の向上につながる政策としては、造船関連企業の技術者育成費として4千4百万円が盛り込まれ、地場産業の活性化に取り組みます。また、上海航路の営業運航開始や、中国との周年事業を契機に、アジア・国際戦略の分野では、新規の事業を23件立ち上げ8億7600万円を計上しています。ところで、去年3月に発生した東日本大震災を踏まえ、国からの防災対策費が増加したことに伴い、緊急の防災・減災事業費として道路や橋の耐震補強などに約19億円を計上しました。また、中村知事は、佐賀県と対立が続いている海砂採取の境界線を巡って、総務省の自治紛争処理委員が示した一部長崎側の主張を認めた調停案を受諾する意向を示し、議会に諮りたいと述べました。来年度の当初予算案などは今月21日に開会する定例会に提出されます。
福島の原発事故を受けて、国内外で放射線への関心が高まる中、修学旅行で日本を訪れているタイの高校生たちがきょう長崎大学で、放射線に関する特別授業を受けました。
特別授業を受けたのはタイのバンコクにあるインターナショナルスクールの生徒とその保護者です。修学旅行で長崎や広島などを訪れていて、きょうは、長崎大学で専門の医師から放射線に関する話を聞きました。
先生「ごく微量の放射線であれば、健康にいい影響を与えるのか」
福島の原発事故を受けて、放射線への関心は国内外で高まっています。高校生たちは放射線の種類や性質、それに健康への影響について、クイズを交えて学びました。
学生「本当に楽しくて有意義な時間を過ごすことができた」
学生「授業を受ける前までは放射線について恐怖感があったが授業を受けると微量の放射線であれば問題がないと分かった」
長崎大学先導生命科学研究支援センター 松田尚樹教授「色々な影響はあるもののとにかくむやみに怖がらず完全に無視もしない付き合い方をすることを知ってほしい」
長崎大学で海外の生徒たちにこうした授業を行うのは今回が初めてだということで、今後も要望があれば応えたいとしています。