老人ホームの複数の職員が70代の女性入所者に暴行していたとして、兵庫県警は13日、神戸市西区の「はぴね神戸学園都市」の介護福祉士ら3人を暴行容疑で逮捕した。捜査関係者が明らかにした。家族が設置したビデオカメラの映像が決め手になった。女性は鎖骨などが折れており、暴行との因果関係も調べる。
逮捕したのはいずれも介護福祉士の松田光博(40)=神戸市須磨区東白川台3丁目=、島田淳子(あつこ)(39)=同区高倉台8丁目=両容疑者と、ホームヘルパー節句田穣(せっくでん・ゆたか)(24)容疑者=兵庫県加古川市東神吉町神吉。
捜査1課によると、3人は1月2〜3日、入所していた女性(73)のほおや腕をたたいたり、下腹部を圧迫したりした疑いがある。松田容疑者は「たたいたことに間違いない」と容疑を認めているという。島田容疑者は「たたいたことはない」、節句田容疑者は「腹を押したのは小便をさせるためで暴行していない」と否認しているという。
家族らによると、女性は2010年6月に入所したが、昨年夏から「助けて」と訴えるようになった。不審に思った家族が今年元日にカメラを設置し、暴行を確認。女性を退所させて検査したところ、鎖骨とあばら骨が折れていた。家族は1月初めに県警に被害届を出した。
施設側は1月21日、「虐待に気づかなかった」と家族に謝罪。3人は職場の人間関係などに不満があり、ストレスがたまって暴行していたと説明し、2月4日に懲戒解雇したという。