和歌山県串本町の田嶋勝正町長が毎月行っている、同町樫野のトルコ軍艦エルトゥールル号殉難将士慰霊碑の清掃の様子がインターネット上で紹介され、多くのアクセスがあったが、この動画を撮影したトルコ人ツアーガイド、アルペル・ブルッテキンさん(35)が28日、同町を訪れた。町役場の田嶋町長を訪ね「トルコ人の関心と感謝の気持ちは強い」と気持ちを伝えた。
昨年10月、田嶋町長が慰霊碑を清掃していた時、旅行で訪れていたアルペルさんがその姿に感動して動画を撮影。動画はその後、トルコの大手新聞社の動画ニュースサイトで紹介され、1日でアクセス数が10万を超えた。串本町役場にも動画を見たトルコ人から感謝のメールが届くなどの反響があった。
アルペルさんは今回、父親のエルバンさん(69)、母親のエセンさん(66)と一緒に同町を訪れた。慰霊碑を両親に見せ、自分ももう一度見たかったという。3人は慰霊碑の他、トルコ初代大統領ムスタファ・ケマル・アタチュルクの銅像などを見学した。
町役場ではアルペルさんが、田嶋町長を「トルコの慰霊碑を守るサムライ」として紹介したトルコの新聞とガラスの絵皿を田嶋町長に手渡した。田嶋町長が「重かったでしょう」とねぎらうと、アルペルさんは「感動の気持ちの方が重い」と答えた。田嶋町長はお返しに、串本のロゴ入りTシャツと法被をプレゼントした。
アルペルさんは「トルコ人の関心、感謝の気持ちは強く、町長の行為に対して言葉にできないほど感動している」と話した。田嶋町長は「トルコ人のエ号への関心の高さを感じる。経済的な交流はまだ少ないが、もっと大きなレベルで交流していけたら」と話した。