白血病、ワクチン治療へ 大阪大が国内初
月内にも臨床研究
成人T細胞白血病(ATL)を患者自身の免疫力を使って治すワクチン治療の臨床研究の実施を、大阪大の医学倫理委員会が承認した。大阪大免疫学フロンティア研究センターと大阪大病院が今月中にも、食道がんや悪性黒色腫などと共に実施する。センターの坂口志文教授によると、ATL患者をワクチンで治療する臨床研究は国内初。
坂口教授は「体の免疫を利用するので、患者の負担が小さく副作用も少ない。高齢者でも安全で有効な治療法となる可能性がある」としている。
ATLは免疫に関わる「制御性T細胞」がウイルスにより、がん化。感染者の約5%が発症する。感染者は国内で120万人、世界で1千万〜2千万人とされる。
発症すると免疫力が落ち、国内では感染症などで毎年約1000人が死亡している。
坂口教授と西川博嘉特任准教授らは、患者のうち約6割でみられるがん化したT細胞に特徴的なタンパク質「NY−ESO−1」に着目。通常、がん細胞には免疫が働かないが、このタンパク質をもつT細胞には免疫が働くことを突き止めた。
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