東京電力は13日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部にある温度計の一つが同日正午に、昨年12月の「冷温停止状態」宣言後で最高の94.9度を示したと発表した。この温度計は、12日午後、保安規定に定めた80度を超えたため同日経済産業省原子力安全・保安院に報告した。
温度計の誤差(最大20度)を考慮し、80度を超えると「冷温停止状態」の条件を満たさなくなる。だが東電は、他の温度計との比較から温度計の不良が原因との見方を強めており「冷温停止状態は維持できている」としている。
東電は温度計の不良とする根拠として、同じ高さにある別の二つの温度計がいずれも33度前後を示し低下傾向で、1.5メートル下の3カ所の温度計や格納容器の温度も低下傾向であることなどを指摘した。核分裂で生じるキセノン135は検出限界未満で核分裂が連続的に生じる臨界は起こっていないとしている。
圧力容器底部の温度は1月下旬から上昇傾向で、この温度計も6日午前7時に73.3度に上昇。7日に原子炉への注水量を増やし、一時は約64度まで下がったが、その後再び上昇傾向を示した。東電は13日までに注水量を17.5立方メートルまで増やした。
保安院は12日記者会見し「全体としては十分に冷却され、安定な状態は維持されている」との見方を示した。【岡田英、関東晋慈、神保圭作】
毎日新聞 2012年2月13日 11時15分(最終更新 2月13日 12時57分)