わいせつ画像がパソコン画面から消えなくなるウイルスをダウンロードさせたとして東京都内の男ら6人が不正指令電磁的記録(ウイルス)供用容疑で逮捕された事件で、京都府警は8日、男らがウイルスに感染させた人が約110万人に上り、画像を消すための登録料として今年1月までの1年間で1万人に総額約6億円を振り込ませていたと発表した。府警は同種手口では被害が最大規模の「ワンクリック詐欺」とみて、詐欺容疑での立件を視野に捜査を進める。
府警によると、逮捕された東京都世田谷区太子堂1、会社役員、堀本真也容疑者(33)らは求人広告などで技術者を集め、21の法人名義で口座を開設。アダルト・芸能情報の提供サイトを毎日20個作成して、アクセスした利用者をアダルトサイトに誘導、動画視聴を装ってウイルスをダウンロードさせていた。
堀本容疑者らは数年前からインターネットを利用した振り込め詐欺を行っていたが、振り込みが減ってきたため、わいせつ画像が消せなくなる手口に変えたという。
京都地検は8日、堀本容疑者ら6人をウイルス供用罪で全国で初めて京都地裁に起訴。府警などは同日、京都市山科区の男性会社員(51)にウイルスをダウンロードさせたとして同容疑で再逮捕した。府警によると、堀本容疑者らは再逮捕容疑をおおむね認めている。男性は登録料として6万9000円を振り込んだという。【林哲平、成田有佳】
毎日新聞 2012年2月8日 22時06分