2012年01月27日

◆ 微量放射線の確率的効果

 微量放射線の効果については、「閾値あり」と私は考えるが、「閾値なし」という説もある。そこにおける確率的効果とは、どのようなものか? 

 ──

 微量放射線の効果については、「閾値あり」と私は考える。
  → 微量放射線の影響

 一方、「閾値なし」という考え方もある。 LNT仮説 というものだ。
  → LNT 仮説 (公的な解説)
  
 ──

 さて。LNT仮説を採ると、「微量放射線の量に比例して、影響が増える」ということが確率的に示される。たとえば、放射線の量が2倍になると、癌の発生率が2倍になる。3倍ならば3倍、5倍ならば5倍、というふうになる。(このような線形関係を意味する。LNT の L は「線形」という意味。)
 ここで問題なのは、量が少ない場合だ。量が百分の1になると、確率が百分の1になるはずだ。それはいったい、どういう意味か? 

 安富歩という人は、これを「死の宝くじ」というふうに表現している。
  → http://ameblo.jp/anmintei/entry-11144109200.html

 しかし、放射線の効果というものは、サイコロじゃない。ガラガラを回して「あたり」を決めるわけでもない。では、ここで言う確率とは、どのようなことを意味するのか? 

 ──

 私としては、次のように考えたい。

 微量放射線はそれ単独では死因にならない。ただし、生活環境には多大な発癌物質がある。それらの発癌物質と微量放射線との影響の合計値によって、発癌の閾値を超える人が、確率的に生じる。
 たとえば、発癌の閾値が 100だとして、その前に発癌の値が 43 だったり、78 だったりする。その誰に対しても、微量放射線の値として1が加算される。しかし、43 が 44 になっても、78 が 79 になっても、いまだ 100 にはならないから、発癌の閾値を超えず、発癌しない。
 しかしながら、高齢者の場合には、96 の人や 99 の人などがいる。これらの人に対しては、微量放射線として 1 または 2 が加算されるぐらいのことで、発癌の閾値を超える結果となり、発癌することになる。
 ここでは、次のことに注意。
  • 微量放射線のせいで発癌するとしても、微量放射線単独で発癌するのではない。
  • 発癌するには、微量放射線以外の諸原因がすでに多大に蓄積している必要がある。
  • 発癌が起こるのは、微量放射線を受けた直後ではなく、多大な蓄積が起こった後である。
  • 多大な蓄積が起こる各人の量は、統計的に分布している。
  • 微量放射線のわずかな効果が影響する人は、確率的というより統計的に決まる。
  • 微量放射線のせいで発癌するか否かは、偶然で決まるのではなく、他の諸原因で決まる。

 具体的には、次のように言える。
 「化学添加剤入りの食品を食べたり、喫煙したり、栄養が偏ったり、運動不足になったり、睡眠不足になったりすれば(不健康な生活をすれば)、そのことによって発癌可能性の諸原因は大幅に増える。その場合には、微量放射線を浴びることよりも、もっと大幅に発癌率が上昇する」
 「逆に言えば、たとえ微量放射線を浴びたとしても、上記のような不健康な生活を避ければ、そのことで発癌の可能性を大幅に減じることができる」


 ──

 以上のように、私は考える。当然ながら、「微量放射線は 死の宝くじ だ」というような発想は取らない。微量放射線による発癌率の増加は、確率的な現象ではなくて、統計的な現象である。確率と統計とはまったく異なる。(この違いを理解できていない人が多い。「死の宝くじ」と語る安富歩が代表だ。)



 [ 付記1 ]
 簡単に言えば、微量放射線は、それ単独では発癌の力を持たない。微量放射線は、発癌のため小さな助太刀をするだけだ。そして、発癌の本体は、微量放射線ではなくて、他の発癌物質などである。(不健康な生活を含む。)
 仮に、微量放射線が、それ単独で発癌の力を持つとしたら、微量放射線を浴びた全員が発癌しているはずだ。しかし、そういうことはない。

 [ 付記2 ]
 微量放射線でなく、大量の放射線ならば、発癌の力を持つだろう。たとえば、甲状腺癌がすぐに起こることもある。この場合には、全員とは言わないまでも、かなり多大な癌患者が発生する。ここでは放射線の影響は明らかだ。(上記のモデルで言えば、100に対して 80 とか 90 の値になってしまうので、発癌する人が多大になる。)
 しかるに、微量放射線(上記のモデルで言えば、100に対して 1 とか 2 の値)では、発癌の力を持たない。「皆無だ」とは言わないが、「何十年もたってから、ようやく、ごく一部の人に影響が出るだけだ」となる。
 
 [ 付記3 ]
 放射線による発癌は、確率的な事象ではなく、統計的な事象である。微量放射線を浴びたとしても、発癌する可能性を減らすことは、いくらでもできる。確率的な現象ならば、運を天に任せるしかないが、統計的な現象ならば、努力しだいでいくらでも発癌の可能性を変えることができる。
 どうやって? 上記で述べたように、1 でなく 99の部分で、発癌の諸原因を減らせばいい。
 
 あるいは、「微量放射線なんか怖くない、オオカミなんか怖くない」と思えばいい。そう思えば、熟睡して、健康な生活を送れる。そうすれば、体調が良くなるので、それだけで発癌率は下がるだろう。
 逆に、「微粒放射線は怖い」と思えば、熟睡できず、不健康な生活を送るようになる。その場合は、かえって発癌率が上昇するだろう。たとえば、「福島は怖い」と思って沖縄に逃げ出すような人は、そのような心配性であるがゆえに、かえって発癌率は上昇するだろう。
( ※ ついでに言えば、その人が本項を読めば、いっそう発癌率が上昇するだろう。「ギャー」と叫びたくなるかも。)
  
 [ 付記4 ]
 「放射線が怖い」と大騒ぎしている人は、どこかに引っ越すよりも、エビオス錠を飲みましょう。エビオス錠は放射線に有効です。嘘みたいだけど、ホント。
  → http://openblog.meblog.biz/article/4926403.html



 【 追記 】
 本質的に言えば、こうだ。
 「微量放射線は発癌の単独要因ではなく(部分的な)一要因にすぎない」
 大量の放射線は、それ単独で、発癌の要因になる。否応なしに発癌が起こりやすくなる。
 一方、微量放射線は、他の多くの要因といっしょになって、発癌を助力するだけだ。たとえ微量放射線を浴びても、他の多くの要因を減らせば、その(発癌減少の)効果の方がずっと大きい。また、たとえ微量放射線を浴びなくても、他の要因が増えれば、その(発癌増加の)効果の方がずっと大きい。……その意味で、「何人に一人が発癌する」というふうに、単独の要因と見なす発想は、まったく見当違いとなる。そういう言説は、ストレスを増やすので、放射線以外の発癌要因をかえって増やしてしまう。

  


 【 関連項目 】

 → 微量放射線の影響
    ※ 「閾値あり」とはどういうことか、を解説する。

 → 放射線と LNT 仮説
    ※ 「閾値なし」とはどういうことか、を解説する。
    ( ここで示されているが、「閾値なし」が否定されるのは、「微量放射線には
     悪影響がない」という意味ではなく、「微量放射線には有益性があるので、
     有害性と有益性を差し引きして、有害性が目立たなくなる」という意味。)
 
posted by 管理人 at 21:09 | Comment(1) | 放射線・原発
この記事へのコメント
昨日雪崩被害がニュースになった玉川温泉の放射線量

http://blog.goo.ne.jp/yamanei/e/89f2664bbc428c792ac335d5475a9d30

最高7.2μとか出てる。

せいぜい1〜2程度の
ホットスポットや汚染コンクリで
除染だの引越しだの大騒ぎしてるのを見ると
何なんだろう・・・って感じですね。

湯治客は「高い所はどこだ」と探してるのに。

温泉宿に住んでる人は鼻血や下痢など
急性な病気になっているのか?

そう考えるとツイッターなどで急性放射線障害が
出た出たと喧伝している人たちがいかに
適当なことを言っているか。


ちなみにうちでも兄の神経痛用に
2μSv/h出てるという北投石を買って
毎日風呂に入れてます。
当然、鼻血や下痢なんてなりませんw

(まぁ、それが本当に放射線が出てるかどうかは
わかりませんがねw)

放射線は全て怖い、じゃなく、量と程度をキッチリ計測すれば
むやみに怖がることはない、というのを
もっと認識して欲しいですね。

被災地瓦礫処理とかで発狂している人は特に。
Posted by てとら at 2012年02月02日 10:30
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