経済の死角

わずか20年後には始まる一気に4000万人が消える!人口激減社会ニッポンこれがあなたの子と孫の未来だ

2012年02月13日(月) 週刊現代
週刊現代
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 年金はゼロ 医療費は全額自己負担 税収半減、学校・警察・病院・消防署は空っぽ 電気・ガス・ 水道・下水はメンテナンス不能不動産は暴落 新幹線はたまにしか走らない 消費税は40%

年金制度は廃止に

 2010年の国勢調査で、日本の人口は1億2806万人であることが明らかになった。ところが、これから人口は急速に減少しはじめ、2040年代には毎年100万人以上のペースで人口が減少。50年後の2060年には、約4000万人も減って8674万人になってしまうという(厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所)。

 これを、「他人事」のように思う読者も、一部にはいるかもしれない。だが、2060年とは、いま10歳の子供が58歳。3歳の孫であれば51歳。現在40歳という人の中にも、まだ生きている人もいるであろう〝近未来のニッポン〟の話だ。あなた自身やその家族が、これから人口激減社会という、人類史上でも例を見ない想像を絶する世界で生きていくことになる。

「人口が3分の2になるということは、単純に見てもあらゆる消費市場が3分の2になるということですが、実際には、もっと市場規模は小さくなります。これから劇的に増えていく高齢者世帯は、現役の若い世代の3分の2くらいしか消費活動をしない。消費活動は急速に縮小していきます」(人口問題に詳しい静岡大学名誉教授の土居英二氏・統計学)

 人口が激減していく中で、日本社会には壮大な〝パラダイム・シフト〟、つまり常識の転換が起きる。次ページの表を参照していただきたい。1970年に14歳以下の若年層は人口の24%を占めていたが、現在はこれが13・1%にまで低下。20年~30年後にはそれが加速し、2060年になると、9・1%にまで低下する。人口減少と同時に、超高齢化社会が進行していくのだ。

 すべてが縮んでいく世界。日本の未来には何が待っているのか。

 真っ先に想定されるのが、年金などの社会保障費の大幅カット、医療費などの自己負担分の増大、そして、破綻する社会を無理矢理に支えるための重税である。

「2060年には高齢者の比率が約4割になると言います。こうなると、現在でも年金制度は2・8人の現役世代が1人のお年寄りを支えていて苦しいのに、1・3人で1人を支えなくてはならなくなる。どう考えても、無理です。足りない分は消費税などで補うことになりますが、もはや、『世代間の支えあい』自体が無理なのです。極論すれば、これまで国民が支払ってきた年金を一旦すべて返却し、制度を作りなおすなどの〝ガラガラポン〟が必要になるかもしれません」(第一生命経済研究所・永濱利廣主席エコノミスト)

 日本の年金制度や医療保険制度など、社会保障が崩壊することはない、というのが政府や一部の専門家の主張だが、それは、「個人の給付を減らし、負担を増大させていく」ことが前提だ。その結果、どんなことが起きるか。

 個人が、一生のうちに政府に支払う総額と、反対に政府から受け取る総額(年金や医療など社会保障給付、補助金など)を比較したデータがある。すると、2008年の段階で60歳以上だった人は3962万円の受給超過になるのに対し、20歳以下の世代は8309万円の負担超過になるという。つまり、現在の祖父母と孫の世代では、およそ1億2000万円も、〝生涯収入〟に差が出るということだ。若い世代からしたら、「やってられない」というのが、偽らざるホンネだろう。

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