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母が長女刺殺、次男抱き刃物持ちウロウロ (2/2ページ)

2012.1.31 05:03
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母親が長女を刺した現場の自宅周辺を入念に調べる大阪府警の捜査員 =30日午前、大阪府東大阪市

母親が長女を刺した現場の自宅周辺を入念に調べる大阪府警の捜査員 =30日午前、大阪府東大阪市【フォト】

 命だけでも守ることはできなかったのか。大阪府警枚岡署や東大阪子ども家庭センター(児童相談所=児相)などによると、一家は母親と亡くなった長女、中学2年の長男(13)、小学1年の次男(7)と4人暮らし。母子家庭だった。

 長男の友人によると、「(長男は母親から)包丁を突きつけられたことがある。家に帰りたくない」と話していた。

 今月27日、長男が家出して枚岡署の署員が自宅を訪れた際、次男と長女が酷寒の中、薄着で震えていたため、枚岡署が「ネグレクト(育児放棄)の可能性がある」と児相に連絡。児相は母親の病状を把握していた学校など関係機関と対応を協議中だった。その矢先に最悪の事態が起こった。

 母親の逮捕容疑は30日午前0時50分ごろ、自宅で長女の腹を包丁(刃渡り約16センチ)で刺し、殺害した疑い。駆けつけた枚岡署の署員が、自宅前に次男と一緒にいた母親の身柄を確保。包丁は、近くに止めてあった子供用の自転車の前かごに入っていた。

 また、近所の住人によると、刃物を持った母親が次男を抱きかかえ、「救急車を呼んで」と叫びながら徘徊していたのを目撃したという。

 母親は枚岡署の調べに、「殺人はしていない。娘が自分で包丁を使って腹を刺した」と容疑を否認する一方、意味不明の話もしており、刑事責任能力の有無などを調べている。次男は「母親は刺すときに一緒に死のうと言っていた」と説明しているという。

 母親は精神的に不安定で、2010年8月には、一家で自転車で九州に向かうという行動に出て、途中の兵庫県尼崎市で兵庫県警に保護されたことがあった。さらに養育面でも問題があったため、直後に、児相が子ども3人の施設での保護を決定。母親も同年9月に精神保健福祉法に基づき入院、その後、退院して通院中だった。昨年9月から4人での生活を再開した。

 長女と一緒に登校していた同級生の母親は30日、取材に「泊まりに来たり仲良くしていた。昨年末も遊びに来て『最近(母親が)料理もしてくれる』と話していたので安心していたのに…。お母さんのことを絶対に悪く言わなかった。ふびんでならない」と肩を落とした。

(紙面から)



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