鋭いパスの練習を繰り返す田中隼=実相寺サッカー競技場で
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名古屋グランパスのDF田中隼磨(29)が11日、チームがオプションとして取り組んでいる3バックへの対応に自信を見せた。横浜M時代に3バックのチームで優勝を経験しており、適性は十分。田中隼のポジションであるサイドバックは右サイドMFであるウイングバックに変わるが、「システムにはとらわれない」と、柔軟な姿勢を強調した。
進化を図るチームに、心強い男がいる。ストイコビッチ監督が「より攻撃的なオプション」と話す3バックは、4バック時よりも前となるサイドバックの位置取りが戦術の最大の肝。ただ、プロ通算366試合を誇るグランパスの鉄人にとっては、何も難しいことはないようだ。「3−5−2はマリノスのときずっと経験していた。それはすごくプラスになっている」。04年には3バックでリーグ連覇を果たした前日本代表・岡田武史監督(現中国リーグ杭州)のもとでプレーしており、対応に何も問題はない。
ただ、田中隼が強く説いたのは、数字の羅列であるシステムを意識しすぎないことだ。「戦術の違いはあるけど、システムにはとらわれない。僕の今のポジションは攻めも守りもアグレッシブにやらないといけない。その意識はどんなシステムでも変わらない」と、基本的な自分のプレーを変えないことを強調した。
5日のチーム始動前後には、神戸から移籍してきた同じ右サイドバックの石櫃をクラブハウスに道案内するなど、積極的に交流。「ポジションどうとかじゃなく、チームメートなんで。ピッチ外でも内でもコミュニケーションを取ることが大切。この合宿もそういうつもりでやっている」と、度量の広さを見せた。グランパス移籍4年目。今季も盤石の態勢で、鉄人が右サイドを駆ける。 (宮崎厚志)
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