創業家出身の井川意高前会長の巨額借り入れ事件を受け、大王製紙と創業家が「全面対決」の様相を呈してきた。大王製紙は3日、創業家の持ち株比率が高く連結子会社でなくなった11社を、グループ内で株式を融通することで再び連結子会社にしたと発表した。創業家側はこれを無効とし法的措置に出る方針。経営再建に向けた道のりは一段と厳しくなった。
いわき大王製紙 | 208億円 |
---|---|
大津板紙 | 111 |
大日製紙 | 46 |
関西大王製紙パッケージ | 45 |
東海大王製紙パッケージ | 50 |
ダイオーペーパーテック | 18 |
エリエール印刷 | 5 |
中国紙販売 | 33 |
中部大王製紙パッケージ | 65 |
九州大王製紙パッケージ | 62 |
ハリマペーパーテック | 15 |
大王製紙では事件を受けて前会長や、父親で2代目社長の井川高雄元顧問ら創業家が退陣。創業家が多くの株式を持ち、会社側が50%超を持っていない連結子会社に対する支配力がなくなった。これに伴い、従来は37社あった連結子会社が2011年10月以降は29社減って8社になっていた。
事件の再発防止のため、会社側は創業家から株式を買い取り、創業家なしでも子会社を支配できるようにする方針を表明。会社側の持ち株比率を過半に引き上げる方向で創業家と交渉を進めてきた。だが株式の評価額を巡って意見が対立し、元顧問は交渉を拒否した。
交渉が暗礁に乗り上げたのを受け、大王製紙は子会社でなくなった会社を“復帰”させるためグループ内で株式を集約。段ボール原紙を生産するいわき大王製紙(福島県いわき市)など計11社を今年1月1日以降、再び子会社に異動させた。残る18社も再び子会社とするため「創業家と交渉を続ける」(同社)という。
一方、元顧問は今回のグループ会社間の株式融通が無効だとして提訴する。グループ会社の株主として取締役の交代を求めている最中である上、取締役として知らされなかったと主張。会社側との株式売買交渉には「今後一切応じない」構え。さらに前会長に融資した子会社の役員にも責任を追及し返済を求める。
業績にも影響が出そうだ。期中に子会社が増えたり減ったりしているため、売上高や損益が変わる。12年3月期連結業績への影響は、14日に発表する11年4~12月期決算で明らかにする予定だ。
井川意高、大王製紙、創業家、井川高雄、無効、連結子会社
日経平均(円) | 8,947.17 | -55.07 | 10日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 12,801.23 | -89.23 | 10日 16:30 |
英FTSE100 | 5,852.39 | -43.08 | 10日 16:35 |
ドル/円 | 77.61 - .62 | -0.07円高 | 11日 5:48 |
ユーロ/円 | 102.21 - .24 | -0.75円高 | 11日 5:48 |
長期金利(%) | 0.975 | -0.010 | 10日 17:21 |
NY原油(ドル) | 98.67 | -1.17 | 10日 終値 |