韓国系コーヒー店、NYマンハッタンに進出

 米国ニューヨーク・マンハッタン最大の繁華街として知られる49番街に、韓国生まれのコーヒーチェーン店「カフェベネ」のニューヨーク・タイムズスクエア店がオープンした。開店3日目の29日午後、店内は空席がないほど混み合っていた。

 来店客の大半は韓国人ではなく、ニューヨーカーや観光客で、マンハッタンのど真ん中に開店したカフェが韓国ブランドだとは知らない様子だった。店内には韓国の店舗と同様の木製テーブルが置かれ、来店客はタイムズスクエアを眺めながら、コーヒーを飲み、読書を楽しんでいた。コーヒーとワッフルを注文し、窓際の座席で新聞を読んでいたケースティン・アンドレアソンさんは「ニューヨークには高級レストランか騒々しいスターバックスしかないと思ったが、ここはとても広く、店内に余裕があり、食事や飲み物が安いので気に入った。韓国ブランドだとは全く知らなかった」と話した。

 カフェベネ海外1号店となるタイムズスクエア店は、27日の開店後、予想を上回る反響を呼んでいる。マンハッタンでは、地下鉄駅よりも数が多い190カ所のスターバックスに押され、地場のコーヒーショップが閉店に追い込まれており、海外のフランチャイズのコーヒー店が出店するのは珍しいことだった。2階構造のカフェベネ・タイムズスクエア店は、1階部分の334平方メートルだけを暫定開業した状態で、1カ月後に全面オープンする予定だ。タイムズスクエア店のキム・スラン代表(29)=海外事業第1本部長=は「ソフトオープンなので、特に宣伝や販促活動をしなかったにもかかわらず、予想を上回る反応だ。ホットチョコレート1週間分を3日で売り上げたほどだ」と話した。

 昨年4月からニューヨーク出店を準備してきたキム店長は「韓国のメニューは全て捨てた」と語る。ニューヨークのコーヒー店を回り、市場調査を行った結果、韓国人とニューヨーカーではコーヒーに対する姿勢が異なると判断した結果だ。韓国人はコーヒー店を食後のデザートを楽しむ場所と考えるが、忙しいニューヨーカーはコーヒー店で食事も済ませる。地中海風サンドイッチ、ツナパニーニなどメニュー20種を開発し、「サラダを乗せたベーコンワッフル」のように食事としても足りる分量のメニューも準備した。ニューヨーカーの腹を満たすため、「雑穀ラテ」やのり巻きなど、韓国にはないメニューも追加した。

 カフェベネ海外1号店の出店準備は、韓国から派遣されたタスクフォース(特別作業班)6人が担当した。全員が20代で、費用が掛かるマーケティング会社を使わず、自分の足でニューヨークの市場を調査した。朝から晩までタイムズスクエア前を通る人々の性別や年齢を調べ、スターバックスの店内に一日中陣取り、消費者が何を食べているのかを自分の目で確認した。ニューヨークの地図を広げ、担当区域を決め、各区域のコーヒー店を全て訪れ、ニューヨークのコーヒー文化を調べ上げた。カフェベネは近く、ロサンゼルスに米国2号店、ニュージャージー州でコリア・タウンがあるフォートリーに3号店を出店する計画だ。

ニューヨーク=金信栄(キム・シンヨン)特派員
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) 2011 The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
関連ニュース