中国のチベット族が多く住む地域で、僧侶の焼身自殺や住民と警察との衝突が相次ぐなか、温家宝首相は、中国政府が認定したチベット仏教の指導者パンチェン・ラマ11世と面会し、民族の団結に向けて積極的な役割を果たすよう求めました。
中国では、チベット族が多く住む内陸部の地域で、僧侶の焼身自殺や住民と警察との衝突で死者が相次いでおり、宗教活動などを巡る中国政府の弾圧に対するチベット族の反発が高まっていることが背景にあるものとみられています。
こうしたなか、温家宝首相は、10日、中国政府が認定したチベット仏教の指導者、パンチェン・ラマ11世と面会し、「チベット族の生活の改善や伝統文化の保護、信仰の自由の保障に、より一層力を入れる」と強調しました。
また、温首相は「僧侶が国を愛し、法や戒律を守るよう指導するとともに、祖国の統一と民族の団結に向けて積極的な役割を果たしてほしい」と述べました。
パンチェン・ラマは、ダライ・ラマに次ぐチベット仏教の指導者とされていますが、中国政府としては、みずから認定したパンチェン・ラマ11世の権威を高め、チベット族への影響力を高める手段として利用したい考えで、温首相の発言の背景にも国内の安定に向けた引き締めを図るねらいがあるものとみられます。
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