審議会委員への意見文書

『守る会』は、審議会の委員ひとりひとり宛に、下記の意見文書を送付しました。内容は、4月24日、市長宛に提出した「公開質問状(6)環境アセスの内容に不正・不実があることを指摘したもの」とほぼ同じ内容です。

これは、質問状提出時、市の職員からにおいて「市長は、審議の如何は審議会に一任しているので、その審議結果を直接左右する立場にない」と言われたことを受け、ならば審議を行う審議会委員に直接、この意見を届けなければならない、と考えたものです。

5月10日の「審議会現地視察」の前に、目を通してもらうべく、各委員ひとりひとり全19名に確実に届けてもらうよう、市の環境評価室へ強く要請しました。(後に掲示した依頼送り状を添付して環境評価室に“依頼”しました。環境評価室職員が、この文書を的確に届けないなどといった職務怠慢を行わないことを願います)

平成14年5月8日

【市民からの意見書】

川崎市環境影響評価審議会の皆さまへ

「(仮称)鷺沼4丁目プロジェクトに係る環境影響評価」についての
近隣住民からの意見文書です。ぜひとも最後までお読みください。

  去る平成14年4月13日土曜、(仮称)鷺沼4丁目プロジェクトに係る公聴会が執り行われました。この席上で、指定開発行為者が、現実の環境状況に即していない調査データに基づく不正確かつ不誠実な条例準備書を作成し、これをもって市に審議を図っていたことが判明いたしました。
その中でもとくに明白な内容をもつ項目を下記に挙げさせていただきます。

■調査データの恣意的な歪曲

【1】
条例環境評価準備書p.56「交通および地域交通:鉄道」の項目において、鷺沼駅における平成11年度の1日平均乗車人員数が、実は約2万8500人におよぶところを「約2万人」と少なくして評価。
(「約2万人」は定期券購入者の数値。定期を買わずに切符で乗車する人員数を無視して評価)
【2】
条例見解書p.59「(1)鉄道関連:1)駅周辺整備及び駅混雑について」において、平成9年〜平成12年の鷺沼駅乗降客数の推移データを示して「乗降客数は近年減少傾向にある」と記述しているが、ここで、乗降客数が前年比7.5%増に転じていた「平成13年分」の推移データを見解書に掲載せず、事実を押し曲げた見解を提示。(この「平成13年分」の調査データは、見解書作成時(平成14年1月)すでに川崎市発行の『統計川崎』で示されており、見解書掲載は十分可能であった)

■非現実的かつ非常識なデータ分析

【3】
条例環境評価準備書p.304「コミュニティ施設:小・中学校」の項目で、計画供用によって発生する鷺沼小学校の学童最大増加数(ピーク時=平成16年想定)を「243人」、増加クラス数を「3クラス」と算出。しかし、このクラス増加数の算出はすべての学年の違いを考慮せずに単純な割り算をした「1年生も6年生も同じ教室で勉強をする環境」を前提とする非現実的なものであり、このずさんな算定をもとに「教育環境に関わる問題は生じない」と評価を導き出している。

■今の現実にそぐわない「大昔の資料」による分析

【4】
条例環境影響評価準備書p.330「交通および地域交通:道路交通」の項目で、交通分担率の記述において「昭和63年」のパーソントリップ調査のデータを使って算出。近年、推移の激しい「交通量」の評価をするのに、あえて十数年も昔のデータを用いている。最新のデータを使って、現実に即した評価を行おうとした形跡が見られない。

■住民からの「意見書」内容に対する恣意的黙殺

【5】
住民からの意見書で「公開空地を市道鷺沼12号線沿いに配置し、建物を12号線からセットバックさせた形にしてほしい」と多数提案されていたにも関わらず、見解書においてはこの住民意見を完全に無視し、「そのような意見は無かったかのように何の見解も示さなかった。これは環境影響評価における「意見書」とそれに応える「見解書」の存在意義を軽視した不誠実な対応である。
(公聴会でこの点を指摘された事業者は「見解書p.23  公開空地について にて、その意見への回答を示したつもりである」と公述したが、その見解書p.23にはそうした意図を示す明確な記述はなく、この事業者公述は明かな詭弁でしかなかった。)

■「話し合い」にもならない一方的姿勢

【6】
説明会においても、意見書においても、そして公聴会の場においても、住民は「
公開空地を設けるため、という理由で高さを11階までひきあげる計画は不要」「公開空地は要らないから、その分、低層の建築計画を」「この建築計画がこの地区の“景観”という地域生活環境に与える影響は甚だしく大きい」と、一貫して主張し続け、話し合いによる歩み寄りを望んできたにも関わらず、事業者は一方的に「公開空地は地域住民のためになる」「低層の建築計画は考えない」「この“景観”が環境に与える影響は小さい」と言い張る(注)ことに終始する“説明にならない説明”を繰り返すのみ。事業者が何回か開催した説明会もすべてこうした「一方的説明会」であり、決して「話し合い会」にはなりませんでした。それ故、住民はこの「実り無き説明会」を1回ボイコットした経緯があります。
注:とくに「景観」に関しては納得できる客観的理由などは何も説明無くただ「影響はないと判断する」と豪語するのみ。状況がよくわかる「至近距離からのシミュレーション写真」も公聴会で住民側が強く指摘するまで提示することすらしませんでした。公聴会で初めてその“写真”を見た私共はその酷い光景に改めて驚きました。

 【1】【2】【3】【4】は環境影響評価というシステムのあり方そのものを無形化する行為です。こうした「データの歪曲使用」が一部発覚したということは、この事業者が準備書の他の項目においても「恣意的に歪曲化した評価」を行っている可能性を示唆するものです。さらに、【5】【6】は下記の言葉で表現された川崎市の行政意志に反した、不誠実な姿勢で環境影響評価を進行させていることの証です。

市としては、(仮称)鷺沼4丁目プロジェクトの建築事業者に対し、事業計画について
 周辺住民の方々と十分な話し合いを行い、理解と協力が得られるよう指導していく

阿部市長が私共の公開質問状に対し、回答文書の中で明言した言葉。平成14年3月12日付[受付番号738]

私共近隣住民は「十分な話し合い」も「理解や納得ができるような説明」も受けておらず、市行政の「指導」は実行されておりません。

今回の事業者のふるまいは、川崎市に住み、その環境の中で暮らしている私共住民から見て、市が定めている「正当な環境影響評価」とは到底認められません。ここまで不審点がある“環境影響評価”がただこのまま通ってしまうとしたら、その際は川崎市における環境影響評価のシステムそのものが重大な欠陥を内包していると判断せざるを得ない。そこまでの重大事態だとさえ認識しております。

 市から委嘱され、然るべき審議報酬を受け取って本件の審議を行われる審議会のみなさまにお願い申し上げます。上記の事情を十分ご認識の上、「川崎市にこの環境影響評価審議会あり!」と市民が誇りに思えるような“正当なる”審議をお願いいたします。私共住民は、皆さまの“ご判断結果”を注視しております。

        鷺沼地域の住環境を守る会

 


 

※上記文書を、「審議会委員ひとりひとりに」「確実に」届けるよう
環境評価室へ“依頼”した送り状  ↓

川崎市環境局 環境評価室ご担当者へ

 同封した文書(計2枚)は、「(仮称)鷺沼4丁目プロジェクト」に係る環境影響評価のありかたに関して近隣住民の意見を述べた意見文書であり、川崎市環境影響評価審議会のメンバーの皆さまにぜひお伝えしたい内容をしたためたものです。

 この文書を、遅くとも平成14年5月9日(木)までに、以下に記した審議会メンバー全員の方に、必ず一通ずつお渡しいただくよう、強くお願い申し上げます。
審議会の皆さまは、5月10日には現地である鷺沼4丁目を視察にいらっしゃると聞いております。その事前に、審議会メンバーの方全員が、この文書に十分目を通していただきたい。そうでなければ意味がない、と考えてお願いしております。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

追伸:この「意見文書」の内容は、環境評価室の皆さまもぜひご一読ください。
  川崎市における環境影響評価では、審議は審議会の皆さまが行いますが、
  その内容を受けて「答申」を作成するのは「環境評価室」であると伺っております。
  市長が直接目にする「答申」を作る評価室のみなさまにも、この文書の内容を
  お読みいただきたいと、強く願っております。よろしくお願いいたします。

                         『鷺沼地域の住環境を守る会』


同封文書をお渡しいただきたい川崎市環境影響評価審議会 メンバーの皆さま(全19名)
(川崎市ホームページ
http://www.city.kawasaki.jp/30/30kansin/home/index7.htmから引用)
※万が一メンバーの異動などありましたら、このリストに関わらず、現在の構成メンバーの人にお渡しください。

□ 今泉 忠明 様 □ 須藤 陽子 様 □ 新井 恵美子 様
□ 大蔵 泉  様 □ 戸田 孔功 様 □ 小島 隆  様
□ 大野 啓一 様 □ 森口 實  様 □ 近藤 和子 様
□ 加藤 仁美 様 □ 山田 由紀子 様 □ 佐藤 龍男 様
□ 川本 克也 様 □ 吉田 勝美 様 □ 佐藤 朋佑 様
□ 近藤 三雄 様 □ 綿引 惠一 様 □ 堀田 靖二 様
□ 坂上 恭助 様



このページを閉じるとトップページに戻ります
1