事業者による
「解体工事」の「協定書」に関する顛末
〜矛盾にみちたその不可解な内容〜
2002年9月5日(木)、この「解体工事」に関する協定は、住民側の意向をほぼすべて取り入れた形で合意されました(9/9月曜以降に正式締結の予定)。ここに至るまでの“経緯”を記録に残す意味で、下記のグレー色に囲んだ部分の記述を記しておきます。

締結した協定書の全文はここをご覧ください。

◎協定締結前の、いきさつ

2002年7月下旬、事業者(東急不動産、三菱商事、新日鉄都市開発)および(株)大林組(=“解体工事”を請け負った工事会社;本体工事とはまだ無関係)が私たち近隣住民に対して「“解体工事”を始めたいので、工事協定を結ばせてほしい」と申し入れてきました。(あくまで事業者側からの話でした)


この協定書の草稿を作るにあたり、住民側はこのような↓主張をしました。
(仮称)鷺沼4丁目プロジェクトは、まだ建築審査をも受けていない、当然、建築許可もおりていない計画である。だから、その未認定建築物をつくるための『本体工事』を前提とした工事協定書など、まだ考慮する段階ではない(ましてや、われわれ住民は法律を悪用したこの11階建ての建築物には反対をする立場で論争をしており、今の段階で『本体工事』を事実上是認するような協定は、とうてい結べない)。
とはいえ、事業者が、自分の資金で購入した所有地をきれいに整備しようという行動(工事)に反対する趣旨はない。だから『解体工事』に限定した工事協定書には、こころよく承諾をしようと考える。
今回、締結しようとする「工事協定書」は、上記の理由から“あくまで解体に限定したもの”として内容をまとめてほしい。

事業者側は、この住民側主張を受け入れ、下記のように工事協定書前文に【赤字】で示した一文を付け加えることを承諾しました。私たち住民は“これで協定が結べる”と思ったものです。

しかし、事業者側はその後の経過で、第2条という箇所に、(5)項という一文(【黒字】で示した文)を加えたものに内容を変更し「これでなければ協定は結べない」と主張を覆してきました。


一読すればわかるように、この第2条(5)項は、
『本体工事』の工事作業時間に関するとりきめを定義するものです。

前文で「この協定は『本体工事』とは関係がない」と謳っているにかかわらず、その舌の根も乾かぬうちに「『本体工事』のトリキメはこう定める」と述べている矛盾以外のなにものでもない内容です。


住民側は、当然、「こんな異常な表記では、当初の意図にまったくそぐわない」、
前文に表記された趣旨からしてせめて『本体工事の作業時間に関しては別途協議する』といった表記であるべきだ
本体工事の作業時間に関しては別途協議する』なら住民も譲歩できる。事業者側にも不利にはなるまい
と条件提示をしているのですが、事業者側は
この第2条(5)項は断固変えない」「これが無いなら協定は結ばない
あげくのはてに協定なしで工事を始める。住民と話し合うつもりもない
暴言ともいえる言葉をもって、強硬論を押しつけてきています。

これは条例審査書や、環境評価室および川崎市長の回答文書にあった「(市行政は)事業者が近隣住民とよく話し合うように指導する」という姿勢表明にまったく反する許されざるべき所作です。

前言にもかかわらず、この事業者の暴挙を容認するようなら市長および市行政へも、厳重に抗議を申し入れます。

2002年8月29日現在、私たち住民は、こんな事業者と“戦って”いる状況です。

その、問題となっていた“協定書案”の内容は下記です。ご覧ください。


事業者側提案による解体工事協定書 案  (2002年9月5日に締結される以前の内容;前半部のみ抜粋)

(前文)
 川崎市宮前区鷺沼4-14-3他内に建設されている既存建物及び工作物等の解体工事(以下、本件工事という。)についてのみ、近隣住民○○○○(以下、甲という。)と、建物所有者東急不動産株式会社(以下、乙1という。)、三菱商事株式会社(以下、乙2という。)、株式会社新日鉄都市開発(以下乙3といい、乙1、乙2、乙3を総称して乙という。)と、工事施工者 株式会社大林組(以下、丙という。)とは、次のとおり協定(以下、本協定という。)を締結する。本協定は乙1、乙2、乙3が計画している「(仮称)鷺沼4丁目プロジェクト」の是認の前提となるものではない


工事予定期間
第1条

(1)本件工事の予定期間は、工事着手日より最長7ヶ月とする。
(2)丙は、工事着手日が決定次第、甲に連絡するものとする。
(3)乙及び丙は、予定工期(別紙参照)に変更が生じた場合、甲と協議した上で決定するものとする。  
(4)本件工事期間中に甲が工事状況の説明を申し出た時には、丙はその時点の工事状況を説明するものとし、
  甲より視察の申し出があった時には、工事場内の状況をふまえた上で、丙の立ち会いのもとに甲は
  工事場内を視察できるものとする。


(作業時間及び休日
第2条

(1)本件工事の作業時間は、重機作業及び大型車輛の工事場内への搬出入を含め午前9時から午後5時までとする。
  尚、作業の準備・片づけ及び騒音、振動、粉塵の発生を伴わない作業は、前後60分とする。
(2)丙は、第二、第四土曜日には本件工事関係大型車輛(通勤車輛は除く)の工事場内への搬出入は
  午前9時から午後4時までとする。
(3)丙は日曜日、祝祭日及び第一、第三土曜日は休業とする。
(4)丙は、特殊重機の現場搬入・搬出に際して法令による交通規制により夜間のみ許可される場合、工事場仮囲いに
  設置(4ヶ所)のお知らせ看板に提示し甲に周知することとする。
(5)前項(1)(2)(3)(4)については本件工事(既存建物及び工作物等の解体工事)についてのみの内容とし、
  「(仮称)鷺沼4丁目プロジェクト」の建設工事に際しては
後述の内容によるものとする

(イ)丙の作業時間は原則として午前8時から午後6時までとする。
(ロ)丙は原則として日曜日は休業とする。
但し、1)上記(イ)における前後1時間の準備・片づけ、2)重機等の搬入・搬出に際し交通規制を受ける場合、3)緊急時または保安対策を講じる必要がある場合、4)作業上やむを得ず中断できない工事や振動・騒音の少ない工事は、この限りではないこととする。
また上記2)〜4)の場合は、工事場仮囲いに設置(4ヶ所)のお知らせ看板にて掲示して甲に周知することとする。


第3条以降…省略)

第3条以降を含む最終的協定書全文はここをご覧ください。




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