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●まちづくり環境運動川崎市民連合(通称:まち連)の主催でひらかれたこの催しには、宮前区はもちろん、高津区、中原区、多摩区、そして横浜・港北区や東京・渋谷区で“巨大マンション”の建設問題で悩んでいる方がたが、130名ほども参加。大変盛況な集まりとなりました。
●催しでは、まず東京・国立で景観裁判を起こし、2002年12月18日の判決ですでに建設された巨大マンションに対する撤去命令を勝ち得た国立市市長・上原公子市長の講演から行われました。
●上原さんからは、住環境の“適正なる”保持を願って住民運動を行う私達にとって、このうえなく感銘深いお話を伺うことができました。なかでも記憶に刻まれたのは次のようなお言葉でした。
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「市民は、まちづくりの権利と、そして義務をもっている」
上原さん曰く「今回の国立の闘いでは、まちは誰のものかという命題を改めて考えさせられた。まちは市民のものであり、まちづくりは市民の権利であり、義務である。市民は、そこにただ住んでいるだけではなく、その住環境を守り育てていく義務を果たすべき(そのための行動を起こし、実現していくべき)である」。つまり、ただ黙って“良い住環境”が保全されることなど無い、自分たちの住む環境は自分たちで行動を起こして作っていかなければならない、というお話でした。私達川崎の人間も、まさにこの行動を継続して、義務の遂行を図らなければ、と改めて考えさせられました。
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「(国立判決では)あとから来た人間が
先に居た人間のルールを重んじるのは当然である、
という司法の考えを改めて示された」
これも、私達にとっては深く首肯させられる話でした。国立裁判は、事業者側の控訴によってまだ高等裁判所で裁判続行中とのことですが、(司法判断の)根底に流れる考え方はそのような方向であることを知って、いくぶんかほっとした次第です。
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「自分たちが(まちづくりの)努力をしていると
自分の街の付加価値があがっていく。
自分の人生の付加価値があがっていく。」
「そこが自分が住んでいる街であり、自分が生涯を過ごしていく街として見る姿勢が大切である。(そういう気持ちをもてない人もいるだろうが、そういう人は所詮、その程度の暮らし方しかできないことに他ならない)。自分が生涯を過ごし、そして自分の次の世代の家族たちも過ごす場所として“百年の計をもって見据えていく”“百年先を思い浮かべる気持ちで努力していく”べきである」という上原さんのお話でした。とても深いお話だと感銘を受けました。
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●上原さんの講演のあとは、川崎エリアにおいて頻発している巨大マンション紛争の各地現状について現地視察の報告と情報交換が行われました。(もちろん、その中には鷺沼ヴァンガートンヒルズについての情報紹介も含まれる)。ここで論題に載せられた“問題現地”は下記の通りです。
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計画地 |
事業者 |
事業規模 |
計画建物の最高高さ |
| 高津区久地・三井金属跡地 |
長谷工 |
855戸、計画人口約2600人 |
63メートル |
| 高津区久本3丁目・NEC跡地 |
住友不動産 他 |
648戸、計画人口約2000人 |
100メートル |
| 宮前区鷺沼4丁目・学園跡地 |
東急不動産,三菱商事,新日鉄都市開発 |
524戸、計画人口約1700人 |
31メートル |
| 中原区上小田中・旭化成社宅跡地 |
旭化成 |
219戸 |
45メートル |
| 中原区上小田中・NKK社宅跡地 |
オリックス |
645戸、計画人口約1700人 |
33メートル |
| 中原区小杉・不二サッシ跡地 |
リクルートコスモス,都市基盤整備公団 |
2078戸、計画人口約6240人 |
160メートル |
●“川崎市民のつどい”という題目でありながら、川崎市以外の方がたも参加された今回の催しでした。今後は、川崎エリアのみならず、こうした運動団体の連携を図り、住民運動の輪をさらにひろげていけたらな、と考えさせられた一日でした。
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