川崎市まちづくり局が
鷺沼ヴァンガートンヒルズ問題をきっかけとして
高層マンションの建築審査における許可基準を
より厳正に見直すことにしました。
(2003年10月31日掲載)

『日経アーキテクチュア』の特集記事に報じられた内容をみて、
当『守る会』が川崎市まちづくり局 建築指導課に確認をとったところ、
この事実が明らかになりました。

以下に、建築指導課職員が、守る会代表に話してくれた内容を記載します。

川崎市では、鷺沼で起きた近隣住民の紛争を教訓に高度地区の適用除外に関する許可基準を見直します

今までは用途地域の境界部分などを一切考慮せず、敷地の内部だけの影響を考慮し許可を判断していました今後は敷地の外にも目をむけて、周囲の環境を考慮する許可基準に作りなおしします。基準項目ごとに(地域への貢献度が高いか否か等も含めて)点数制にする仕組みも導入して、今まで一律に許可を与えていた運用方針を見直します

具体的には川崎市まちづくり局が「都市計画法ただし書き」の許可基準、「行政手続法」による審査基準を見直し、これを文章化した審査基準を事業者に渡せるようにします。来年の3月には策定できそうですが、場合によっては、もっと早まるかもしれません。

実は、平成14年10月ころから、鷺沼4丁目プロジェクト(=鷺沼ヴァンガートンヒルズ)のトラブルなどの経験から許可基準を部内で見直そうということになり、今回のような動きとなったものです。

さらに中庭状の公開空地については、今後、公開空地とは認めない方針です。近隣住民と居住者などがその出入りについてトラブルを起こすことが懸念されるので...。中庭状ではない通常の公開空地についてもマンション購入時の重要事項説明についてチェックし、購入者がその内容を十分に納得できる説明になっているかをみることになります。

中庭状の公開空地は今後認められないということは、地域への貢献度がないと判断されたといっていいでしょう。この新しい許可基準は、鷺沼ヴァンガートンヒルズに遡って適用されることは残念ながらありませんが、このヴァンガートンの計画案が、地域に対する貢献度が低い計画であるというひとつの判断を示すものであると思います。

以上が、建築指導課職員の話の要旨です。

つまり、今後は、川崎市において
中庭を公開空地とすることで」「高度地区の高さ規制を突破するような
高層マンションの建設許可されない、ということになるようです。

東急不動産、三菱商事、新日本都市開発の“法の網目をくぐり抜けるような”建設計画のおかげで、
川崎市の住環境を保全するためのルール作りが、一歩、前へ進んだとも言えるでしょう。

上記談話の中にもあるように、この新基準は、
鷺沼ヴァンガートンヒルズに遡って適用されるわけではないので
当『守る会』の抱える問題はまだまだ解決しません。

が、
『鷺沼地域の住環境を守る会』の活動が、
これからのこの地域の住環境を考える上で
(そして“新たなるマンション紛争”を防ぐうえで)
前向きな方針を打ち出すきっかけとなったと思うと、
活動の成果をひとつ出せたようでうれしく思いますし、
また、報われる気もしています。



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