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過去最大の市場介入 “覆面”も

2月7日 11時20分

過去最大の市場介入 “覆面”も
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歴史的な円高を受け、政府・日銀が去年10月末に行った円売りドル買いの市場介入の規模は、1日としては過去最大の8兆722億円に上ったほか、急激な円高を食い止めようと、その後も4日間にわたって、介入の事実を公表しない、いわゆる「覆面介入」を行っていたことが分かりました。

財務省が発表した「為替介入実績」によりますと、去年10月31日に政府・日銀が外国為替市場で行った円売りドル買いの市場介入額は、1日としては過去最大の8兆722億円でした。
さらに、翌日の11月1日から4日までに、合わせて1兆195億円の介入が実施されていたことが明らかになり、政府・日銀が、介入の事実を公表せずに民間の銀行に依頼して断続的に円売りドル買いを続ける、いわゆる「覆面介入」を行っていたことになります。
政府・日銀は、去年10月31日、シドニー市場で1ドル=75円32銭の最高値を記録した直後に介入に踏み切りましたが、その後も、「覆面介入」を続けることで、投資家の間に介入への警戒感を広げ、円高の進行を阻止するねらいがあったものとみられます。
10月末の大規模な介入で、円相場は、直後に一時、1ドル=79円台半ばまで値下がりしましたが、最近は1ドル76円台で推移するなど、円高の流れは大きく変わっていないのが現状です。
これに関連して安住財務大臣は、閣議のあとの記者会見で、「私は、あらゆる選択肢を排除しないし、『やるときは、やる』と言っている。投機的な動きがはっきりしたり、実体経済とかけ離れて投機筋が自分たちの利益を得るためだけに市場をゆがめるようなことがあったりした場合、国益を守るためであれば、いかなる措置も取る」と述べ、今後も為替市場の急激な変動に対しては、円売りドル買いの市場介入を行う考えを改めて示唆し、円高の動きを強くけん制しました。