川澄、体力測定ぶっちぎり！！　ロンドンへなでしこ始動

　川澄ちゃんは今年も健在だ。なでしこジャパンとなでしこチャレンジによる日本女子代表候補合宿が１０日、和歌山県内で始まった。今回は９日から同地で行っているＵ−２０、Ｕ−１７日本代表候補を合わせ７４人の大所帯で、なでしこジャパンはロンドン五輪アジア予選を終えた昨年９月以来の活動再開。なでしこジャパンと同チャレンジは体力測定中心のメニューでＭＦ川澄奈穂美（２６）＝ＩＮＡＣ神戸＝が貫禄の好記録をたたき出した。

　日が落ちようかという夕刻、寒風吹きすさぶ中、ピッチ上に火花が散った。五輪メンバー入りをかけた競争の幕開け。そこでひときわ輝いたのが川澄だ。サッカー界で主流の体力テストであるＹＯ−ＹＯテストは、２０メートルの距離を定められた時間内に往復（４０メートル）するというもの。本数が増えれば定められた時間は短くなり、制限時間をクリアできなければ終了だ。

　スピードに体力、心肺機能の高さも問われるテストで、川澄は「時差ぼけはありますけど…」と言いつつ、最後まで必死に食らい付こうとしたなでしこチャレンジの伊藤、意地を見せるなでしこジャパンの同僚、近賀をも簡単に振り切った。“一人旅”になった後も、さらに６本を積み重ねるぶっちぎりＶだった。

　チームのスペイン遠征から戻ったのは８日。ただこの世界を知るからこそ甘えは許さない。自らもなでしこチャレンジからのし上がった身、「みんなモチベーションは高いはず。自分もしっかりやらないといけない」と気を引き締めた。　（島田明）