[][]【拡散】自閉症児者の生きにくさをしめす奈良の2つの出来事

以下の2つの事件に関する情報は、昨年の秋から自閉症関係のMLで流されていたのですが、閉じられたMLからの情報ゆえブログ掲載等は控えておりました。ところが、昨年11月時点で既に奈良県自閉症協会がその機関誌で本件についての記事を書き、ネット上にも公開していることを、lessorさんのブログで気づかされ、おそらくこのような事件は氷山の一角なのだろうけれども、少しでもなくなっていって欲しいという願いを込めて「拡散」のため当ブログでもご紹介したいと思います。

問題の2つの事件は以下のリンクをたどって行ってください。

■奈良の2つの出来事 - lessorの日記

双方とも奈良県自閉症協会から日本自閉症協会へ持ち込まれた事案で、日本自閉症協会内の「倫理啓発委員会」を中心に今後の対応を検討することになっています(もう対応したのかもしれせんけれど)。「倫理啓発委員会」の委員長は市川宏伸副会長だそうです。

特に二つ目の「土下座強要事件」については、日本自閉症協会の理事で知的障害者等の権利擁護活動で著名なある弁護士から、日弁連においても検討したいという申し入れがなされましたが、ひとまずは日本自閉症協会の中で検討が行われることになったようです。

個人的にはこの種の権利擁護事案に関しては自閉症協会よりも育成会のほうが得意分野であり、政治力も比較的大きいという印象を持っているのですが、今後どうなるか推移を見守りたいと思います。尤も今後表にでてくるかはわかりませんけれど。

なお、lessorさんのブログでも言及されていますが、一つ目の「誓約書事件」に関しては昨年12月に毎日新聞(大阪版)も概要を報じていました。

■奈良県警:自閉症の未成年に誓約書誘導か−−任意同行 - 毎日jp(毎日新聞)

 奈良県警が、奈良市内で女児に何回も声かけをしたとして事情を聴いた自閉症の未成年の男性に対し、本人が意味を理解できていない内容の誓約書を、誘導して書かせた疑いがあることが分かった。男性の父親らは「息子は(誓約書のような)文章を書けない。警察に強引に書かされた」と主張している。【石田奈津子】

 両親と県警奈良西署によると、男性は10月中旬、複数の小学生女児に何回も声をかけて自分の下半身を触ったとして、住民の通報で駆けつけた署員から任意同行を求められた。その際、男性が勤務するレストランの従業員が障害があることを伝えて同行を申し出たが、断られたという。

 同署で事情聴取を受けた男性は「今、けいさつの人に、説明をうけて、小さい子供に不安をあたえるような声かけを、しては、いけない事を、教えてもらいました。(中略)今後、子供に不安をあたえるようなあいさつや、声かけなどを、しないように約束します」との誓約書を書き、指紋も押なつした。

 同署からの連絡で迎えに行き、誓約書を見せられた母親は「息子は『不安をあたえる』という言葉をそもそも知らない」と指摘。「何度もお子さんに声をかけたのなら、申し訳ないし、直接謝りたい。でも無理やり誓約書を書かせるのは納得できないし、書かせるのなら親を同席させてほしかった」と、誓約書の返還を求めた。同署は「女児側から被害届が出ていない」として、同月下旬に返還した。

 同署の砥石秀夫副署長は「自分の行為について触れてとは言ったが、一言一句『こう書いて』とは言っていない。母親に同席してもらった上で書かせるべきだったが、警察学校で養護学校の生徒と触れ合うなど、障害についての勉強はしており、誓約書を書かせたことは、問題はなかった」としている。

 ◇反論する能力乏しい
 障害者問題に詳しい辻川圭乃弁護士(大阪弁護士会)は、特に「(自閉症のため)反論する能力が乏しいのに、密室でそのことを考慮せず書かせたことが問題だ」と指摘する。

 自閉症は発達障害の一つで、人とのコミュニケーションが苦手▽言葉の発達が遅れる▽質問に対しておうむ返しに返事をする−−など、人によってさまざまな特徴が現れる。

 自閉症協会奈良支部の河村舟二理事長は「自閉症の人は『こういうふうに書け』と言われたら、そのまま書いてしまうことがある」と話す。

毎日新聞 2011年12月8日 大阪朝刊

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[自閉症]DSM-5:自閉症新定義に..
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