店の入口からドッと捜査員がなだれ込む。「はい、そのまま!」「動くな! 静かにしろ!」。言われなくたって動けやしない。逃げも隠れもできない。男はステージ上でぎゅうぎゅうに縛り上げられていた。
札幌・中央署によると、縄や手錠は“商売道具”の厚別署留置管理課の巡査長、泉沢容疑者の逮捕容疑は、11日未明、札幌市中央区南5条西5丁目のSMクラブ「クラブ パティオ」のステージ上でマッパ(真っ裸)になるなど、わいせつな行為をした疑い。「裸でいたのは間違いない」と容疑を認めている。
店は、深夜営業飲食店の営業許可しか受けていないにもかかわらず、風俗営業を行っている疑いがあったため、札幌・中央署の捜査員が踏み込み、マッパでステージに上がっている“興奮MAX”の泉沢容疑者を発見、現行犯逮捕したという。店には当時、男女計16人の客がいた。
泉沢容疑者は逮捕時、女性従業員に赤いロープで、まさに縛られている最中だったという。同日は勤務時間外だった。泉沢容疑者は当初、調べに対し、ガンとして職業を明かさなかったという。
また、札幌・中央署は11日、「クラブ パティオ」の経営者、田中貴子容疑者(46)=同市白石区本通=についても、風俗営業の許可を受けず、女性従業員に客をロープで縛るなどの行為をさせたとして、風営法違反(無許可営業)の疑いで現行犯逮捕した。
「クラブ パティオ」のホームページ(HP)によると、店のシステムは会員登録料が男性2000円、女性無料などとなっており、飲食のセット料金は男性が2時間5000円、女性がフリーで5000円など。「女装子」(ニューハーフ系!?)向けの料金設定もあり、さらには『Patioの十戒』なる店のルールも紹介されていた。
また、「クラブ パティオ」のHPが11日午後1時19分ごろに更新され、『諸事情により、本日2月11日よりお店を、お休みさせていただきます。申し訳ございません』などとする案内とおわびが掲示された。
一方で“SMマッパ巡査長”の現行犯逮捕に道警監察官室は11日、「警察職員が逮捕され、誠に申し訳ありません。事実関係を調査し、厳正に対処してまいります」とのコメントを出した。
(紙面から)