違法賭博サイト、海外サーバーで摘発回避

 プロバレーボールの八百長事件は、韓国のスポーツ界が賭博サイトによって揺らぎかねない事実を改めて浮き彫りにした。

 文化体育観光部(省に相当)は7日、違法賭博サイトを利用しただけで、5年以下の懲役刑または5000万ウォン(約345万円)以下の罰金刑に処す内容の国民体育振興法改正案を閣議了承したと発表した。昨年末に国会で可決された同法一部改正案は、体育振興投票券(スポーツトト)の発行対象となるスポーツ競技での八百長や違法なスポーツ賭博に対する処罰を強化する内容を盛り込んでいるが、現実を考えると遅きに失した措置だと批判されている。

 違法賭博の規模は既に想像できないほど拡大している。韓国の違法賭博市場は50兆-70兆ウォン(約3兆4000億-4兆8000億円)規模で、このうち1000以上ある違法賭博サイトによる市場規模は推定12兆ウォン(約8300億円)に達する。合法的なスポーツトトの規模は1兆8000億-1兆9000億ウォン(約1240億-1310億円)だ。

 違法スポーツ賭博業者は、インターネットを通じ、国内外向けの中継放送を行ったり、ポータルサイト検索でヒットするようにしたりして、客を集めていた。最近はツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も宣伝に悪用されている。

 違法サイトは実名や住民登録番号の認証をせず、携帯電話番号と銀行口座番号さえあれば、誰でも登録できる。約2週間ごとにサイトのアドレスが変更されるが、変更時には携帯電話のメールやSNSで通知される。サイトの開設、閉鎖を繰り返す手口で、警察の捜査を巧妙にかいくぐっている。スポーツトト申告センターによると、通報を受け、サイト遮断に至ったケースは、2009年の85.8%から10年には36.4%に低下した。最近はサーバーを中国や東南アジアに置くケースが多く、摘発はさらに難しくなっている。

 違法サイトには、既に八百長が明らかになったサッカー、バレーボール以外にも、野球、バスケットボールなど韓国の人気スポーツ種目がそろっている。サッカーの場合は、最初にイエローカードを受ける選手を当てるゲーム、最初にコーナーキックを行うチームを当てるゲームもある。バスケットボールの場合も、最初にフリースローに成功するチーム、最初にスリーポイントシュートに成功するチームを当てるなど、賭け方が細分化されている。

チャン・ミンソク記者
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