韓国プロバレーボールの八百長事件をめぐり、軍服務中の選手が所属する尚武信協の現役選手や、女子チームの選手も違法スポーツ賭博サイトの八百長に関与していた事実が明るみに出たことで、検察の捜査がプロバレーボール界全体に及ぶことが避けられない見通しになってきた。
これまで女子スポーツで八百長が発覚したことは一度もないため、今回の検察の捜査で女子選手の八百長への関与が明るみに出れば、とてつもない波紋が予想される。女子バレーボールは、2005年に男子と共にプロリーグがスタートし、現在は6チームが参加している。
男子プロバレーボールの八百長をめぐっては、尚武に対する捜査が本格的に始まるとみられる。すでに逮捕された現役選手と元選手の計3人は、いずれも兵役中に尚武に所属した。1人は2002年から2年間、尚武でプレーし、最初に逮捕された元選手は05年から、現役選手(32)は07年から2年間、それぞれ尚武に所属した。現在プロリーグに招待チームとして参加している尚武は、今季を含め3季連続で最下位に低迷している。
昨年、プロサッカーKリーグで八百長事件が発覚した際も、軍検察に起訴された尚武所属の現役選手は9人に上った。尚武に所属していた当時の八百長行為が発覚して摘発された選手も多かった。
では、なぜ尚武では問題が多いのか。プロ選手として活躍している途中で、軍に入隊して尚武に所属すると、報酬が大幅にダウンする。一部プロチームでは「軍服務手当」の名目で生活費を支給するケースもあるが、それまで受け取っていた年俸に比べれば微々たるものだ。このため、カネの誘惑に簡単に心が揺らぐ。ほかのプロチームに比べて戦力が劣るため、試合に負けても精神的な負担は軽く、頻繁にミスを犯しても特に怪しまれることはない。
プロチームKEPCOのシン・チュンサム監督は、9日の記者懇談会で「尚武で選手たちが悪いことに関わったため、問題が起きたようだ。野球やバスケットボールは尚武を1軍リーグに参加させていないため、こうした問題が起きにくいのではないか」と語った。
大韓バレーボール協会は、3カ月後に迫った五輪予選に向けて今月中に韓国代表メンバーを発表する予定だったが、これを保留し、検察の捜査状況を見守る方針を発表した。逮捕された選手2人は韓国代表でプレーした経験もあるため、現韓国代表の主力選手が八百長に関わっていた可能性も排除できない状況だ。
韓国バレーボール連盟(KOVO)は9日午前、ホームページに謝罪文を掲載し「バレーボールファンの皆さまに大きな失望を与え、心配をお掛けしたことを、謝罪申し上げる。連盟と各チームは全ての事実が明らかになるよう最善を尽くし、正式な捜査結果が発表され次第、関係者を厳重に処罰する」と説明した。
この日、仁川市内で行われた男子プロバレーボールの試合では、3位の現代キャピタルが2位の大韓航空を3-0(25-20、25-17、25-20)で下した。大韓航空の連勝は13でストップした。