「練習は絶対に妥協しない」。父大(ひろし)さん(46)の教えだ。長距離走などつらい練習であっても決して手は抜かない。「まじめに練習に取り組み信頼できる」と島田達二監督は評価する。チーム一、二の俊足で50メートル走は6秒3。「足だけでなく、打撃でも相手にプレッシャーをかけられるようになりたい」と貪欲にバットを振り、打撃の強化に余念がない。
打者の手元で変化するツーシームを武器に中学は投手として活躍し、高校に入って内野手に。2年秋から、ほとんど経験したことのない外野手になった。初めは戸惑ったが「試合に出るため」と基本から練習。俊足をとばす守備範囲の広さが買われ、レギュラーの座をつかんだ。
「いつも笑顔で話しかけてくれる」と後輩から慕われる。副主将として雰囲気づくりに気を配るとともに、時間厳守を自分に課す。「行動で示してチームを活気づけたい」と背中で仲間を引っ張る。
昨秋の公式戦は、失敗を恐れて盗塁を仕掛けられなかった。「甲子園では強気に盗塁を狙う」。穏やかな笑顔がきりりと引き締まった。土佐清水市出身。177センチ、70キロ。【黄在龍】=つづく
地元の人や球児に希望を与えられるプレーがしたい
毎日新聞 2012年2月9日 地方版