海底トンネル事故:死者は2人 脱出の作業員は奇跡的生還

2012年2月11日 21時26分 更新:2月11日 22時5分

JX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故現場=岡山県倉敷市で2012年2月8日、本社ヘリから大西岳彦撮影
JX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故現場=岡山県倉敷市で2012年2月8日、本社ヘリから大西岳彦撮影

 岡山県倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故現場で、岡山県警は11日、行方不明となっていた弘栄建技(東京都台東区)社員、真鳥(まとり)晴次さん(43)=長崎県五島市福江町=の遺体を発見した。事故の死者は2人目。一方、現場にいた作業員6人のうち唯一脱出した角井健次さん(61)が、事故発生時には深さ34メートルの縦穴の底にいたことが、工事会社の鹿島の会見で分かった。現場責任者の渕原義信さん(61)に「逃げろ」と指示されて非常用らせん階段を駆け上り、奇跡的に生還した。

 鹿島などによると、7日の事故発生時、渕原さんが横穴から、「水が来るから逃げろ」と叫んだ。驚いた角井さんはらせん階段に走り、上部まで上ったところで最後は「海水に押し上げられた」という。階段に走る際に振り返ると、渕原さんは横穴の奥に引き返して行った。

 この直前の午後0時20分ごろにはトンネル内に非常警報音が響き、真鳥さんがエレベーターに乗っているのを角井さんは見た。午後0時17分、渕原さんは携帯電話で「とにかく来てくれ」と鹿島の担当者に連絡、担当者が到着した約5分後には既に縦穴の上まで浸水していた。

 一方、県警水島署によると、真鳥さんの遺体は水深約23メートル付近で発見された。鋼材に挟まれた状態で、障害物を引き上げる作業中に鹿島のダイバーが気付き、県警の水難救助隊員が鋼材を取り除いて収容した。収容時、作業員らは縦穴の水面に向かって両手を合わせていた。【井上元宏、五十嵐朋子、小園長治】

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