2011年12月13日 20時49分
地下鉄・松本両サリンなど4事件で殺人罪などに問われ、11月21日の最高裁判決で1、2審の死刑が維持されたオウム真理教元幹部、遠藤誠一被告(51)に対し、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は12日付で、判決訂正の申し立てを棄却する決定を出した。これでオウム真理教による一連の事件で13人目の死刑が確定し、起訴された189人全員の判決が確定した。
一連の事件では▽死刑13人▽無期懲役5人▽有期懲役80人▽執行猶予付き87人▽罰金3人▽無罪1人--が確定。松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(56)が95年5月に逮捕されてから終結まで約16年7カ月を要した。一方で、まだ指名手配中の容疑者が3人いる。
刑事訴訟法は、死刑執行は判決確定から6カ月以内に命令しなければならないと定めるが、共犯者の判決確定までの期間は算入しないとしている。元死刑囚に対し1953年に言い渡された大阪高裁判決は「未逮捕の共犯者がいることを理由に、漫然と死刑囚の執行を遅らせることは当を得ない」として「共犯者の逮捕前の死刑執行命令は適法」という先例的判断を示している。【石川淳一】