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政治
【高橋昌之のとっておき】生活保護費の不正受給を許すな! 銀行は全国一括照会に協力を
そこで、私は全国銀行協会にこの理由を問い合わせました。全銀協の回答は「銀行の規模、口座数で全国一括照会への反応に違いがあるのは事実」と認めたうえで、都銀が難色を示している理由については(1)本店で全国一括照会を依頼されても、個人の口座を特定するのは大変な負荷がかかる作業である(2)全国一括照会をするためのシステムがない銀行もある(3)誤って別人の口座を照会した場合は問題となるーことを挙げました。
しかし、これは理由になっていません。(1)は「仕事が増えるからやりたくない」というもので、生活保護費の不正受給防止の必要性を考えれば、仕事が増えようとも金融機関が協力すべきであるのは当然です。(2)は今の時代にそんなシステム未整備の銀行がどれほどあるのでしょうか。仮にあったとすれば整備すべきです。(3)はそんなミスを起こさないよう注意すればいいだけの話です。
銀行は融資を行う際は、個人の債務状況をオンラインで調査し、融資の可否を判断しているのですから、預金口座の全国一括照会を行うことも可能なはずです。それにもかかわらず、難色を示すというのは、不正受給のためであっても金融機関としては、預金を確保しておきたいという思惑があるのではないかと勘ぐってしまいます。いずれにしても都銀が難色を示しているのは、私にとって理解しがたいことです。
私がこの問題を取材しようと思ったきっかけは、知人から「生活保護を受けるのは簡単なんだよ。住んでいる所と違う場所に口座を作って、資産や収入がないことにすればいいんだから」と平気で語っている人がいると聞いたことでした。
私は「本当にそうなのか」と思って、厚労省に取材してみたところ、やはりその通りでした。私が普通に耳にするくらいですから、金融機関の全国一括照会が行われないことを悪用した不正受給はかなりあると想定されます。
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